AWS EC2のAuto Scaling(自動スケーリング)入門!初心者向けにわかりやすく解説
生徒
「先生、EC2の負荷が高くなったときって、自動的にサーバーを増やすことってできるんですか?」
先生
「はい、それがまさにAuto Scaling(オート・スケーリング)です。アクセスが増えたら自動でEC2インスタンスを増やして、少なくなったら減らす仕組みです。」
生徒
「それって便利ですね!どうやって設定するんですか?」
先生
「とても便利ですよ。AWSの管理画面からステップに沿って設定できるので、順番に説明していきますね。」
1. Auto Scalingとは?
Auto Scaling(オート・スケーリング)は、AWS(エーダブリューエス)の機能のひとつで、EC2(イーシーツー)インスタンスの数を自動で増減させる仕組みです。
たとえば、Webサイトにアクセスが集中したときは自動でサーバーの数を増やし、アクセスが少ないときには減らしてコストを抑えることができます。まるで働く人数を時間帯に合わせて調整するようなイメージです。
2. Auto Scalingのメリット
Auto Scalingには大きく分けて3つのメリットがあります。
- ① 安定性:アクセス急増時にもサービスが落ちにくくなる
- ② コスト削減:必要ないときはインスタンスを減らせる
- ③ 自動化:人手がいらないので効率的に運用できる
特に初心者がWebサイトを安定して運用したいときには、とても役立つ機能です。
3. Auto Scalingを使うために必要なもの
Auto Scalingを使うには、以下の3つの構成が必要になります。
- ① 起動テンプレート(EC2インスタンスの元になる設計)
- ② Auto Scalingグループ(実際にインスタンスを増減させる管理単位)
- ③ 負荷分散(ELB:イーエルビー)※任意で利用可
これらを組み合わせることで、自動でサーバー数を調整できる仕組みが完成します。
4. 起動テンプレートの作成手順
まずは、Auto Scalingに使うEC2インスタンスの設計図である「起動テンプレート(Launch Template)」を作成します。
- ① EC2の管理画面を開く
- ② 左メニューから「起動テンプレート」をクリック
- ③ 「テンプレートの作成」を選ぶ
- ④ 名前、AMI(エーエムアイ)、インスタンスタイプ、キーペアなどを設定
- ⑤ 作成ボタンを押す
このテンプレートがあれば、同じ設定のEC2を何台でも自動で立ち上げられます。
5. Auto Scalingグループの設定方法
次に、Auto Scalingグループを作成します。これがインスタンスを増減させる仕組みの中心になります。
- ① EC2画面で「Auto Scaling グループ」を選ぶ
- ② 「グループの作成」をクリック
- ③ 先ほど作った起動テンプレートを選択
- ④ グループの名前を入力
- ⑤ VPC(ブイピーシー)とサブネットを選択
- ⑥ ロードバランサー(必要なら)を設定
- ⑦ インスタンス数の最小・最大・初期値を設定
- ⑧ 「作成」ボタンを押して完了
これで、アクセス状況に応じて自動でインスタンスが増減されます。
6. スケーリングのルールを設定する
Auto Scalingでは、「どんなときに何台増やすか」「何台減らすか」というルールを決められます。
- 例1:CPU(シーピーユー)の使用率が70%を超えたら1台増やす
- 例2:CPU使用率が30%以下になったら1台減らす
これらはCloudWatch(クラウドウォッチ)というAWSの監視機能を使って実現します。
7. Auto Scalingを使った安定運用の第一歩
Auto Scalingは、アクセスが読めないサービスや、急にアクセスが増えるイベントサイトなどに特におすすめです。
設定は少し手間がかかりますが、一度設定してしまえば、あとは自動で管理してくれます。
初心者の方でも、今回の手順を順番に進めれば、自動スケーリングの仕組みを構築できます。
まとめ
ここまで、AWS EC2のAuto Scaling(オートスケーリング)について、起動テンプレートの作成からグループ設定、スケーリングルールの作り方まで、ひとつひとつの手順を丁寧に見てきました。あらためて振り返ってみると、この仕組みが持つ「自動化」と「柔軟性」は、初心者にこそ頼もしく映るのではないでしょうか。アクセス数が予想しづらいサイトや、急に人気が高まるサービスでも、必要なときにだけインスタンスが増えるという仕組みは、運用の負担を軽減するだけでなく、サービスの安定性を守るうえでも非常に役立っています。
とくに、起動テンプレートはEC2インスタンスの設計図として機能し、Auto Scalingが正しく動くための基盤となります。毎回同じ設定のEC2環境を自動で立ち上げられるため、構成の統一性を保てるほか、インフラ全体の再現性が高まります。これにより、Webアプリケーションの配信やバックエンド処理の自動化にも活かすことができ、信頼性のある構成につながります。
さらに、Auto Scaling グループは、実際にインスタンスを増減させる中核的な役割をもちます。最小値・最大値・初期値を設定しておくことで、急なアクセス増加でも必要な台数だけが即座に補われ、逆に深夜などアクセスが少ない時間帯には無駄なインスタンスを減らすことでコスト最適化が自然に行われます。こうした柔軟な運用は、クラウドならではの醍醐味といえます。
また、スケーリングルールの作成では、CloudWatchのメトリクスが重要な役割を果たします。CPU使用率をはじめ、ネットワーク帯域やディスク読み取り量など、さまざまな指標をトリガーに設定できます。たとえば、CPU使用率が一定割合を超えた場合に自動で1台増やし、反対に負荷が下がったら減らすといったルールを設定しておけば、予期せぬ負荷変動にも柔軟に対応できます。これらの調整に慣れてくると、より高度な設定も行えるようになり、安定運用の幅が広がっていきます。
■ スケーリング設定のイメージを深めるサンプルコード
Auto Scalingの概念を理解しやすくするために、設定例をXML風にまとめたサンプルを以下に示します。実際のAWSではGUIやJSON形式で設定しますが、全体構造を視覚的に掴むには有用です。
<AutoScalingGroup>
<GroupName>web-app-asg</GroupName>
<MinSize>2</MinSize>
<MaxSize>6</MaxSize>
<DesiredCapacity>3</DesiredCapacity>
<ScalingPolicy>
<PolicyName>scale-out</PolicyName>
<Trigger>
<Metric>CPUUtilization</Metric>
<Threshold>70</Threshold>
<Action>Increase</Action>
<Adjustment>1</Adjustment>
</Trigger>
</ScalingPolicy>
</AutoScalingGroup>
また、起動テンプレートで設定したインスタンスパラメータが正しく反映されているか確認する際、次のようにLinux環境で状況をチェックすることがあります。
aws autoscaling describe-auto-scaling-groups --auto-scaling-group-name web-app-asg
{
"AutoScalingGroups": [
{
"AutoScalingGroupName": "web-app-asg",
"DesiredCapacity": 3,
"MinSize": 2,
"MaxSize": 6
}
]
}
表示された値が意図した設定どおりであれば、自動スケーリングが正しく動作する準備は整っています。クラウド特有の動的なリソース管理を理解すると、負荷に左右されないサービス運用ができるようになります。
Auto Scalingは、初心者がEC2を運用する際の不安を取り除いてくれる頼もしい仕組みです。負荷の変化に応じて自動でスケールする能力は、サイトの安定化だけでなく、コスト管理や効率化にも直結します。とくに、イベントサイトやECサイトなどアクセス量に波があるサービスでは欠かせない存在となるでしょう。
一度設定してしまえば、あとはAWSが裏側でインスタンス数を調整してくれるため、運用作業も軽減されます。今回学んだ流れを参考に、まずは小規模なテスト環境で構築してみると理解が深まり、その後本番運用に応用しやすくなります。
生徒:Auto Scalingって最初は難しそうに見えましたが、仕組みが分かるととても便利な機能だと感じました!
先生:そうでしょう。クラウドの魅力は、必要なときだけ必要な分だけ使えるところにあります。Auto Scalingはその中心となる機能です。
生徒:起動テンプレートが設計図という例えが分かりやすかったです。同じ設定でインスタンスが増やせるのは便利ですね。
先生:ええ、統一された環境で増減できるのはとても大切です。トラブルの発生率も減らせます。
生徒:CPUの使用率で増やしたり減らしたりできるのも面白いですね。ルールを工夫すればもっと高度な使い方もできそうです。
先生:その通りです。CloudWatchの活用と組み合わせることで、サービスの安定化がさらに進みます。
生徒:まずはテスト環境でやってみて、少しずつ慣れていきたいです。
先生:それが一番の近道です。今日の学びを活かして、AWSでの運用スキルを着実に磨いていきましょう。