AWS EC2のElastic IPとは?グローバルIPの割り当て方法を初心者向けにやさしく解説
生徒
「先生、AWSのEC2を使っているときにElastic IPって出てきたんですけど、これは何ですか?」
先生
「Elastic IP(エラスティック・アイピー)とは、AWS(エーダブリューエス)で使える固定のグローバルIPアドレスのことです。EC2(イーシーツー)インスタンスに割り当てて使いますよ。」
生徒
「IPアドレスって、そもそも何なんですか?」
先生
「IPアドレスは、インターネット上の住所のようなもので、コンピューターやサーバーを特定する番号です。Elastic IPは、その住所をずっと同じに保てる仕組みなんですよ。」
1. Elastic IPとは?
Elastic IP(エラスティック・アイピー)とは、AWS(エーダブリューエス)が提供する固定のIPアドレス(アイピーアドレス)のことです。通常、EC2インスタンスに割り当てられるIPアドレスは、インスタンスを停止・再起動すると変わってしまいます。
しかし、Elastic IPを使えば、EC2インスタンスに固定のグローバルIP(グローバル・アイピー)を割り当てて、常に同じアドレスでアクセスできるようになります。これにより、Webサイトの公開や外部システムとの通信が安定します。
2. グローバルIPとは?
グローバルIPアドレスとは、インターネット上で一意に認識されるIPアドレスのことです。読み方はグローバル・アイピー・アドレスです。これは、世界中のネットワークの中で重ならないように割り当てられていて、自宅や会社のネットワークとは別に存在します。
Elastic IPは、このグローバルIPの一種で、AWSが管理しています。EC2インスタンスにこのアドレスを割り当てれば、どこからでもアクセスできるようになります。
3. なぜElastic IPが必要なのか?
通常のEC2インスタンスは、起動するたびに異なるIPアドレスが割り当てられます。そのため、WebサイトのURLをIPで直接設定している場合や、外部システムと特定のIPで通信する設定をしていると、毎回設定を変更する必要があります。
Elastic IPを使えば、インスタンスを停止・再起動してもIPアドレスが変わらないため、設定変更の手間が省けます。また、サーバー障害などで別のインスタンスを立ち上げても、Elastic IPをすぐに再割り当てすれば切り替えも簡単です。
4. Elastic IPの割り当て方法
Elastic IPを使うには、AWSの管理画面(マネジメントコンソール)から操作します。以下の手順で進めます。
- AWSコンソールにログインする
- EC2ダッシュボードを開く
- 左のメニューから「Elastic IP アドレス」を選ぶ
- 「Elastic IP アドレスの割り当て」をクリック
- 確認画面で「割り当て」を押す
これでElastic IPの取得が完了します。
5. EC2インスタンスにElastic IPを関連付ける
Elastic IPを取得しただけでは使えません。次に、実際にEC2インスタンスにそのIPアドレスを割り当てます(関連付けといいます)。
- Elastic IPの一覧から、取得したアドレスを選ぶ
- 「アクション」→「Elastic IP アドレスの関連付け」をクリック
- 関連付けるインスタンスを選ぶ
- 「関連付け」ボタンを押す
これで、選んだEC2インスタンスにElastic IPが割り当てられます。あとは、そのIPアドレスでブラウザからアクセスできます。
6. Elastic IPの注意点と料金の仕組み
Elastic IPは無料で使えるわけではありません。割り当てたElastic IPを、何も使っていない状態(インスタンスに関連付けていない状態)で放置していると、料金が発生します。
つまり、Elastic IPは「使っているぶんには無料」「使っていないとお金がかかる」という仕組みです。不要になったら、解放するのを忘れずにしましょう。
7. Elastic IPの活用シーンとメリット
Elastic IPは、以下のようなシーンで便利です。
- 常に同じIPアドレスでWebサーバーを公開したいとき
- DNS(ディーエヌエス)に固定のIPを登録したいとき
- 障害発生時に別のインスタンスへすぐ切り替えたいとき
固定IPを使うことで、運用の安定性が高まり、システムの信頼性も上がります。
まとめ
Elastic IP(エラスティック アイピー)は、AWS EC2で安定した公開環境を構築するうえで非常に重要な役割を果たす固定グローバルIPアドレスです。EC2インスタンスに自動で割り当てられる通常のIPとは異なり、インスタンスを停止・再起動しても変わらず利用できるため、Webサイトの公開や外部サービスと連携する際に安定した接続を維持できます。特に、DNSの設定や外部システムとの接続先を特定のIPに固定しなければならない場面では、Elastic IPは欠かせない存在となります。
また、Elastic IPはAWSのネットワーク設計を理解するうえで重要な概念の一つであり、EC2インスタンス、VPC、サブネットなどと合わせて考えると、その仕組みと便利さがより理解しやすくなります。Elastic IPを取得し、EC2インスタンスに関連付けることで、どこからでもアクセス可能な安定したインターフェースを提供し、障害発生時には別のインスタンスへ迅速に紐づけ直すことでサービスを継続できます。この柔軟性の高さが、多くのクラウド利用者に支持される理由です。
Elastic IP設定のサンプルXML
Elastic IPの運用では、設定内容を確認したり自動化ツールと連携するために、設定情報をXML形式などで扱うことがあります。以下はElastic IPの関連付けに関するイメージ例です。
<ElasticIPConfig>
<AllocationId>eipalloc-1234abcd</AllocationId>
<InstanceId>i-0abc123def4567890</InstanceId>
<Association>
<Status>associated</Status>
<PublicIp>203.0.113.25</PublicIp>
</Association>
</ElasticIPConfig>
Linux環境でElastic IP状況を確認する例
EC2インスタンスにログインし、ネットワーク設定やElastic IPの利用状況を確認することもよくあります。以下はネットワーク構成ファイルを確認する例です。
ls -a
. .. network.cfg interfaces eip-status.log
Elastic IPの料金の仕組みも押さえておくべきポイントです。Elastic IPは「関連付けて利用している場合は無料」「使わずに放置すると料金が発生する」という特性があります。これはAWSのリソースを効率的に利用してもらうための仕組みであり、不要になったら解放する運用が重要になります。放置されたElastic IPに気づかず課金され続けるケースも珍しくないため、定期的にリソースを確認する習慣が大切です。
一方、Elastic IPのメリットは非常に多く、安定したIPアドレスの維持によってWebサーバー運用が容易になる点、障害時の切り替えが簡単になる点、DNS設定が固定化され管理が楽になる点などがあります。特にWebサービスや定常アクセスを必要とするアプリケーションをAWS上で運用する場合、Elastic IPはサービスを安定提供するための要となります。
Webアプリケーションを公開している環境では、IPアドレスが変わることは大きなリスクになります。通知が遅れれば外部連携が切れたり、顧客がアクセスできない状態が続いたりする可能性もあります。そのため、固定IPであるElastic IPは、企業の運用面でもトラブルを未然に防ぐ重要な要素となり、クラウド環境で安定運用を目指す際には積極的に活用する価値があります。
Elastic IPの使い方を理解することで、AWS EC2のネットワーク設定をより深く理解でき、クラウドでのシステム構築や運用の幅が広がります。IPアドレスという基礎的な仕組みを学びながら、AWSのネットワークリソースの扱い方を身につけることで、より実践的なクラウド運用へと繋がっていきます。Elastic IPは決して難しいサービスではなく、用途を理解して適切に運用すれば、大きなメリットをもたらしてくれる重要な機能なのです。
生徒
「先生、Elastic IPって普通のIPアドレスと比べて、やっぱり運用がすごく便利なんですね。」
先生
「そうだよ。特にインスタンスを再起動してもIPが変わらない点は、Webサイトやシステムの安定性にとても大きな影響があるんだ。」
生徒
「障害時もすぐ別のインスタンスへ付け替えられるって聞いて、すごく実用的だと思いました。」
先生
「そのとおり。サービス停止時間を最小限に抑えられるから、運用の強い味方なんだよ。」
生徒
「料金が“使わないと発生する”っていう仕組みも、気をつけないといけないですね。」
先生
「そこも大事なポイントだね。不要なElastic IPを残さないように整理することは運用の基本なんだ。」
生徒
「今日学んだ内容で、AWS EC2のIPの仕組みがすごくよく分かりました!」
先生
「よく理解できているね。この知識はAWSのネットワーク設定を学ぶうえで必ず役に立つよ。」