AWSのNetwork Load Balancer(NLB)の特徴と使い方を解説!初心者向けロードバランサー入門
生徒
「先生、AWSのNetwork Load Balancer(エヌエルビー)ってどんな役割を持っているんですか?」
先生
「Network Load Balancer(ネットワークロードバランサー)は、ELB(イーエルビー:Elastic Load Balancing、エラスティックロードバランシング)の一種で、トランスポート層(OSIモデル第4層)で動作する超高速なロードバランサーです。」
生徒
「ALBとどう違うんですか?名前は似ているけど仕組みが違うんですか?」
先生
「はい、ALB(アプリケーションロードバランサー)は第7層でリクエストの内容を見て振り分けるのに対して、NLBは第4層で高速に処理を行うのが特徴です。具体的な特徴や使い方を順番に解説していきましょう。」
1. Network Load Balancer(NLB)とは?
Network Load Balancer(ネットワークロードバランサー、読み方はエヌエルビー)は、AWSのロードバランサーサービスであるElastic Load Balancing(エラスティックロードバランシング)の一つです。NLBはトランスポート層(読み方はトランスポートソウ)で動作し、TCP(ティーシーピー)やUDP(ユーディーピー)といった通信を超高速に処理します。数百万件のリクエストを毎秒処理できるスケーラビリティを持ち、遅延が非常に少ないことが特徴です。
2. NLBの特徴
NLBには他のロードバランサーにはない特徴があります。特に次の点が重要です。
- 超低遅延:ミリ秒単位の処理でリアルタイム性が必要なサービスに向いている
- 大量接続処理:数百万の同時接続を処理できる高いパフォーマンス
- 静的IPアドレス:固定のIPアドレスを使えるためファイアウォールやアクセス制御が簡単
- ゾーン冗長性:複数のアベイラビリティゾーンに自動で分散し高い可用性(カヨウセイ)を確保
- ヘルスチェック:バックエンドのEC2(イーシーツー)やECS(イーシーエス)を監視し、正常なものに振り分ける
3. ALBとの違いを比較
ALB(アプリケーションロードバランサー)は第7層でリクエスト内容を見て処理を分けるため、WebアプリケーションやAPI(エーピーアイ)のようにリクエスト単位でルーティングするのに適しています。
一方、NLBは第4層で動作し、リクエストの中身ではなく通信プロトコルとポートに基づいて処理します。そのため、超高速な処理が可能で、ゲームサーバーや金融システム、IoT(アイオーティー)機器の通信など遅延を嫌う用途に最適です。
4. NLBの基本的な使い方
ここでは、AWSマネジメントコンソールを利用してNLBを設定する流れを初心者向けに説明します。
- ロードバランサーの種類を選択:「Network Load Balancer」を選ぶ
- 名前を付ける:管理しやすい名称を設定する
- ネットワーク設定:VPC(ブイピーシー:Virtual Private Cloud)とサブネットを指定する
- リスナーを作成:TCPやUDPのポート番号を設定する
- ターゲットグループを作成:EC2インスタンスやECSタスクを登録する
- ヘルスチェックを設定:バックエンドの正常性を確認するためのルールを設定する
これらの設定を終えると、NLBは大量のリクエストを自動で振り分けて効率的に処理してくれるようになります。
5. NLBを使うメリット
Network Load Balancerを使うことで得られる利点は多くあります。
- 高いスループット:大量の同時接続を処理可能
- セキュリティとの親和性:固定IPを活用してアクセス制御がしやすい
- スケーラビリティ:アクセスが急増しても自動で処理可能
- 柔軟な利用:金融取引、IoT通信、ゲーム配信など幅広い分野で活用できる
6. 初心者にもわかる例え
NLBを例えるなら「大規模な高速道路の料金所ゲート」です。車(リクエスト)が大量にやってきても、料金所がしっかり整理してスムーズに各車線に分けてくれるため渋滞しません。同じように、NLBは大量のリクエストを一瞬で処理し、それぞれのサーバーに効率的に振り分けます。この仕組みがあるからこそ、利用者は遅延を感じることなくサービスを使えるのです。
まとめ
Network Load Balancer(ネットワークロードバランサー、NLB)は、AWSのロードバランサーの中でも特に高速な処理能力を持つロードバランサーであり、トランスポート層(OSI第4層)で動作することから、通信内容ではなくプロトコルやポート番号に基づいた超高速な振り分けが可能である点が大きな特徴でした。記事全体を通じて、NLBがどのように大量の接続を処理し、低遅延で信頼性の高いサービスを実現するのかを学ぶことができました。
特に、静的IPアドレスの利用が可能である点や、複数のアベイラビリティゾーンへ自動的に分散するゾーン冗長性、超高速処理を実現するアーキテクチャなどは、金融サービスやリアルタイム通信、ゲーム配信、IoTデバイスの通信などで非常に重要となる特性です。これらの用途では、遅延が少しでも発生すると大きな影響を与えるため、NLBのような超低遅延ロードバランサーの存在は不可欠です。
また、ALBとの比較によって、NLBがどのような場面に適しているのかがより明確に理解できました。ALBは第7層で動作し、リクエストの中身を見て振り分ける機能が強力ですが、NLBは第4層に特化しており、内容を解析しない分、高速性と軽量性を備えています。これにより、用途に応じたロードバランサー選択の重要性が理解しやすくなります。
次に、初心者でも理解しやすいNLBの設定手順として、ロードバランサー作成、リスナー設定、ターゲットグループの構成、ヘルスチェックの設定などを順を追って説明しました。これによって、NLBがどのようにバックエンドのEC2インスタンスやECSタスクの正常性を監視し、安定したサービス運用の手助けをしているかがイメージしやすくなりました。
以下に、NLBのターゲットグループ設定をJSON形式で記述したイメージ例を示します。AWS内部では実際に似た構造の設定情報が扱われています。
{
"TargetGroupName": "nlb-targets",
"Protocol": "TCP",
"Port": 80,
"HealthCheck": {
"Protocol": "TCP",
"IntervalSeconds": 10,
"HealthyThreshold": 3,
"UnhealthyThreshold": 3
}
}
ヘルスチェック設定により、NLBはバックエンドの正常性を常にチェックし、異常があれば正常なターゲットにのみ振り分ける仕組みになっています。ターゲットの正常性を素早く把握することが、サービス品質を維持するための大切なポイントとなります。
実際の運用では、ログ確認も非常に重要です。以下は、LinuxコマンドでNLB関連ログを検索する例です。CloudWatchログに類似した検索を想定したシンプルなサンプルとしています。
grep "NLB" system.log
NLB forward: 203.0.113.10:80 → 10.0.1.25:80 # リクエスト振り分け例
このように、NLBのログを確認するだけでも、どのようにリクエストが処理されているかを把握できるため、トラブルシューティングに役立ちます。大量の接続を扱うNLBでは、ログ分析と監視が不可欠な運用ポイントです。
さらに、初心者が理解しておくべき重要な点は、NLBが提供する「固定IP」「超低遅延」「大量接続処理」「高い可用性」といった特徴が、どのようなビジネス用途にどのように役立つかという点です。具体例として、ゲーム通信、金融取引、IoTデバイスのセンサーデータ送信などのシーンでは、遅延の少ない安定した通信基盤が必要不可欠であり、NLBはまさにその要求を満たすロードバランサーです。
最後に、NLBを例えるなら「巨大な高速道路の料金所ゲート」であり、車(リクエスト)が大量に押し寄せてもスムーズに振り分けて渋滞を起こさないという例えが非常に分かりやすく、NLBの役割を直感的に理解できる助けとなりました。今後AWSのインフラ設計を進める際、NLBとALBを使い分ける判断が大きな意味を持つようになります。
生徒:「NLBがどうしてこんなに高速なのか、ようやく理由が分かりました!第4層で動くからなんですね。」
先生:「その通りです。第7層のように内容を解析しない分、シンプルな判断で高速処理ができるのです。」
生徒:「静的IPが使えるのも便利ですね。セキュリティ設定にも役立つし、固定で扱えるのは安心感があります。」
先生:「そうですね。複雑なネットワーク構成でも扱いやすくなるので、多くの企業がNLBを選ぶ理由の一つになっています。」
生徒:「ゲームサーバーや金融システムで使われる理由もよく分かりました。遅延が少ないことがこんなに大事だとは思いませんでした。」
先生:「NLBの特性を理解しておくと、用途に応じて ALB や NLB を最適に使い分けられるようになりますよ。」
生徒:「これから自分でもNLBを使った構成を考えてみたくなりました!」
先生:「ぜひ挑戦してみてください。基礎を押さえたあなたなら、きっと良い設計ができるはずです。」