AWS ELBとAuto Scalingを連携して高可用性を実現する方法を初心者向けに解説!
生徒
「先生、AWSでサービスを運用しているんですが、急にアクセスが増えたときにサーバーが落ちないか心配です。どうすればいいですか?」
先生
「その場合は、ELB(イーエルビー、Elastic Load Balancer:エラスティックロードバランサー)とAuto Scaling(オートスケーリング)を組み合わせると安心ですよ。これで高可用性(コウカヨウセイ)を確保できます。」
生徒
「高可用性ってどういう意味ですか?」
先生
「高可用性とは、システムが止まらずに長時間安定して動き続けられることです。では、その仕組みを詳しく見ていきましょう。」
1. ELBとAuto Scalingの基本
AWSのElastic Load Balancer(エラスティックロードバランサー)は、利用者からのリクエストを複数のEC2(イーシーツー)に分散させる仕組みです。一方、Auto Scaling(オートスケーリング)は、サーバーの台数を自動的に増減させるサービスです。
両者を組み合わせると、アクセスが集中したときに自動でサーバーを追加し、負荷を分散させ、逆にアクセスが少ないときはサーバーを減らすことでコストも節約できます。
2. 高可用性とは?
高可用性(コウカヨウセイ)とは、システムが障害に強く、常に利用できる状態を指します。例えば、ショッピングサイトでセールが始まったときに急にアクセスが増えても、サーバーが止まらずに動き続けることです。
ELBとAuto Scalingを組み合わせることで、1台のサーバーに障害が起きても、別のサーバーが処理を引き継ぐため、利用者に影響を与えずにサービスを提供できます。
3. ELBの役割
ELBはリバースプロキシのように、ユーザーからのリクエストを受け取り、バックエンドのEC2に振り分けます。そのときに重要なのがヘルスチェック機能です。
ヘルスチェックは、各EC2インスタンスが正常に動作しているかを確認する仕組みです。もし1台が故障していても、ELBは自動的にそのサーバーを外し、正常なサーバーにだけリクエストを送ります。
4. Auto Scalingの役割
Auto Scalingは、EC2の台数を自動で調整するサービスです。例えば、CPU(シーピーユー)の使用率が一定以上になったらサーバーを追加し、逆に使用率が下がればサーバーを減らすことができます。
この仕組みにより、利用者が多いときはシステムを止めずに処理能力を増やし、利用者が少ないときは無駄なコストを削減できます。
5. ELBとAuto Scalingの連携手順
実際にELBとAuto Scalingを連携させるには、以下の手順を踏みます。
- EC2インスタンスのAMI(エーエムアイ:Amazon Machine Image)を作成する
- Auto Scalingグループを作成し、起動テンプレートを指定する
- スケーリングポリシーを設定する(例:CPU使用率が70%を超えたら1台追加)
- ELBを作成し、Auto Scalingグループと関連付ける
- ヘルスチェックを有効化して、故障したインスタンスを自動で入れ替える
この流れを設定すると、自動的にサーバーが増減し、利用者に安定したサービスを提供できます。
6. 実際の利用例
例えば、ECサイトではセール開催時にアクセスが急増します。このとき、Auto Scalingが自動でEC2を増やし、ELBがトラフィックを分散させることで、利用者はスムーズに買い物ができます。
また、夜中など利用者が少ない時間帯には、自動でEC2が減少し、運用コストを削減できます。これにより、効率的で安定した運用が可能になります。
7. 運用時のポイント
ELBとAuto Scalingを組み合わせて運用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- スケーリングポリシーは余裕を持たせる(急激な増減を防ぐため)
- ヘルスチェックの設定を適切に行う
- 監視サービス(CloudWatch:クラウドウォッチ)を利用して稼働状況を確認する
- 必要に応じて複数のアベイラビリティゾーンに分散させる
これらを実施することで、予期せぬ障害にも強いシステムを構築できます。
8. 高可用性を支える設計の考え方
ELBとAuto Scalingを連携させると、高可用性を実現できますが、それだけで完全ではありません。複数のリージョンに分散配置したり、データベースにも冗長化の仕組みを導入したりすることで、さらに安定性が高まります。
基本的な考え方は「単一障害点をなくすこと」です。どこか1か所が故障してもシステム全体が止まらないように設計するのが重要です。