カテゴリ: AWS 更新日: 2025/12/09

AWS EC2で負荷分散(ELB)を設定する方法を初心者向けにやさしく解説

AWS EC2で負荷分散(ELB)を設定する方法
AWS EC2で負荷分散(ELB)を設定する方法

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、AWSでEC2を使っているんですが、アクセスが増えると遅くなるって聞いたことがあります。どうすればいいんでしょうか?」

先生

「その場合は、ELB(イーエルビー)という負荷分散の仕組みを使うといいですよ。複数のEC2インスタンスにアクセスを分けることで、サーバーが混雑しにくくなります。」

生徒

「ELBって何ですか?難しそうですね……。」

先生

「心配しなくて大丈夫です。AWSのELBは、クリック操作だけで簡単に設定できますよ。それではやさしく説明していきますね。」

1. 負荷分散とは?

1. 負荷分散とは?
1. 負荷分散とは?

負荷分散(読み方:フカブンサン)とは、複数のサーバーに処理を分けて、1つのサーバーに負荷(アクセスの集中)がかかりすぎないようにする仕組みです。

たとえば、お店のレジが1台だけだと行列になりますが、レジが3台あれば並ぶ時間が短くなります。それと同じように、Webサービスでもサーバーが複数あれば処理が分散して安定します。

2. ELBとは?

2. ELBとは?
2. ELBとは?

ELBは、Elastic Load Balancer(エラスティック・ロード・バランサー)の略です。読み方は「イーエルビー」です。

これは、AWS(エーダブリューエス)が提供する負荷分散のサービスで、アクセスを自動的に複数のEC2(イーシーツー)インスタンスに振り分けてくれます。

たとえば、Webサイトへのアクセスが増えても、ELBが間に入って処理を分けてくれるので、サーバーが落ちにくくなります。

3. ELBの種類(初心者向けに簡単に)

3. ELBの種類(初心者向けに簡単に)
3. ELBの種類(初心者向けに簡単に)

AWSには3種類のELBがありますが、初心者におすすめなのは「Application Load Balancer(アプリケーション・ロード・バランサー)」です。主にWebサービスに使われます。

  • Application Load Balancer(Web向け)
  • Network Load Balancer(通信向け)
  • Gateway Load Balancer(セキュリティ機器向け)

ここでは、Application Load Balancerを使った設定方法を紹介します。

4. ELBを使うメリット

4. ELBを使うメリット
4. ELBを使うメリット

ELBを使うと、以下のようなメリットがあります。

  • アクセス集中に強くなる
  • 自動でヘルスチェック(健康診断のようなもの)をして、故障したEC2を除外してくれる
  • 複数のAZ(アベイラビリティゾーン)に分散できて、災害にも強い

安定したサービス提供には、ELBはとても重要な存在です。

5. 負荷分散(ELB)の設定手順

5. 負荷分散(ELB)の設定手順
5. 負荷分散(ELB)の設定手順

それでは実際に、AWSの管理画面(コンソール)でELBを設定する手順を見ていきましょう。

  • ① AWSマネジメントコンソールにログイン
  • ② EC2のダッシュボードを開く
  • ③ 左のメニューから「ロードバランサー」を選ぶ
  • ④ 「ロードバランサーの作成」をクリック
  • ⑤ 「Application Load Balancer」を選択
  • ⑥ 名前を入力し、インターネット向けか内部向けを選ぶ
  • ⑦ リスナーは「HTTP 80番ポート」でOK
  • ⑧ AZとサブネットを選択
  • ⑨ セキュリティグループの設定
  • ⑩ ターゲットグループを作成し、EC2インスタンスを登録
  • ⑪ 「作成」をクリック

設定が完了すると、ELBのDNS名が発行され、それを使ってアクセスできます。

6. ターゲットグループとは?

6. ターゲットグループとは?
6. ターゲットグループとは?

ターゲットグループとは、ELBがアクセスを分ける対象のEC2インスタンスの集まりです。

たとえば、2台のEC2を1つのターゲットグループに登録しておけば、ELBがそれぞれにバランスよくアクセスを振り分けてくれます。

ここで設定したインスタンスに対して、自動的にヘルスチェックも行われます。

7. ELBを使ったアクセスの仕組み

7. ELBを使ったアクセスの仕組み
7. ELBを使ったアクセスの仕組み

ユーザーがWebサイトにアクセスすると、まずELBに接続されます。ELBは、登録されたターゲットグループの中から健康なEC2を選んで、処理を依頼します。

これにより、アクセスが特定のサーバーに集中せず、全体のパフォーマンス(処理速度)も向上します。

負荷分散は、大規模なWebサービスに限らず、小さなサイトでも効果的な対策になります。

まとめ

まとめ
まとめ

今回の記事では、AWS EC2で負荷分散を実現するためのELB(Elastic Load Balancer)の役割やメリット、そして設定手順についてじっくり理解することができました。負荷分散という考え方は、クラウド環境を安定して運用するために欠かせない基本であり、特にWebサイトやAPIサービスのようにアクセス数が日によって大きく変動するシステムでは大きな効果を発揮します。アクセスが急に増えたとしても、ELBが複数のEC2にリクエストを分散して処理してくれるため、サーバーが落ちたり、表示が極端に遅くなったりするリスクを大幅に減らせます。

負荷分散というと専門的な響きがあり、初心者には難しく感じられがちですが、AWSのELBは操作画面も見やすく、設定の流れも理解しやすいため、一度手順をこなしてみるだけで多くの工程が自然と身につきます。特に Application Load Balancer はWebアプリケーション向けに最適化されているため、EC2環境を扱う初心者にも扱いやすい選択肢として広く使われています。そして、ターゲットグループという仕組みを使えば、EC2インスタンスをまとめて管理し、ヘルスチェックで正常なインスタンスだけに振り分けることも可能です。

実際の運用では、EC2インスタンスを複数台用意し、それらをターゲットグループに登録しておくことで、ELBが常に最適なインスタンスへアクセスを振り分けてくれます。ヘルスチェックによって故障しているEC2が見つかれば自動的に切り離してくれるため、システムの信頼性も高まります。これにより、ユーザーがどの時間帯にアクセスしても安定したサービスを提供できるようになります。

また、ELBを利用することで複数のアベイラビリティゾーン(AZ)にEC2を配置する構成も容易になり、災害対策としても大きな効果を発揮します。ひとつのゾーンに障害が発生しても、ELBが自動的に別のゾーンのインスタンスへ流してくれるため、サービスの停止を最小限に抑えることができます。このように、ELBは単なる負荷分散装置としてだけではなく、クラウドシステム全体の耐障害性を高める要となるサービスなのです。

さらに、ELBを設定したあとは、DNS名が自動的に発行され、そのURLを利用すれば誰でもそのWebサイトやサービスにアクセスできるようになります。これは、独自ドメインを設定して本番運用に活用する際の入り口にもなり、初心者がクラウドサービスを広く一般公開する際の大きな一歩となります。また、Application Load Balancerではパスベースやホストベースのルーティングにも対応しており、将来的にサービスが広がったときの拡張性にも優れています。

■ ELBの動作確認でよく使うコマンド例

設定後にELBのDNSを確認したり、疎通確認をする際に便利なLinuxコマンドの例です。


curl http://your-elb-dns-name.amazonaws.com
<html>
  <body>
    <h1>Welcome to EC2 behind ELB!</h1>
  </body>
</html>

こうした簡易チェックを行うことで、正しくロードバランサーが動作しているか、ターゲットグループに登録したEC2が応答しているかどうかをすぐに確認できます。

■ シンプルなヘルスチェック設定例(JSONイメージ)

{
  "HealthCheckProtocol": "HTTP",
  "HealthCheckPath": "/",
  "HealthCheckIntervalSeconds": 30,
  "UnhealthyThresholdCount": 2,
  "HealthyThresholdCount": 5
}

このように、ELBは比較的シンプルな設定項目を組み合わせるだけで高い安定性を実現できます。設定に慣れてくると、どんな規模のサービスでも柔軟に拡張できる点がとても魅力です。クラウドの世界では「単一障害点をなくす」ことが重要ですが、ELBを使えば負荷分散だけでなく、高可用性という観点でも大きな効果を得られます。

初心者の方でも、今回紹介した手順を実際に試してみることで、クラウドの負荷分散が驚くほどシンプルに感じられるはずです。特に、EC2・ELB・ターゲットグループの関係を理解しておくと、より高度な構成へ発展させる際の基礎となります。まずは小規模な環境で、ELBを通したアクセスがどのように分散されるのか試してみることをおすすめします。

先生と生徒の振り返り会話

生徒:ELBって難しいイメージがありましたけど、実際はとても便利で重要な仕組みなんですね!負荷が分散されるだけじゃなくて、壊れたEC2を外してくれるのが驚きでした。

先生:そうですね。ELBはただの振り分け装置ではなく、システム全体の安定性を支える重要な役割を持っています。初心者には敷居が高く見えますが、触ってみると意外と簡単なんですよ。

生徒:ターゲットグループという仕組みも面白かったです。EC2をまとめて管理できて、ヘルスチェックも自動なんて便利すぎます。

先生:その通り。実際の運用現場では、ターゲットグループを上手く使うことで管理がとても楽になります。将来サービスを増やしたいときにも応用できますよ。

生徒:ELBのDNS名を使ってアクセスできるのも本番環境っぽくてワクワクしますね!

先生:ぜひ実際に構築して、アクセスが分散される様子を確かめてみてください。クラウド構築の世界が一気に広がりますよ。

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