AWS Shieldでレイヤー3/4攻撃を防ぐ設定と考え方をわかりやすく解説
生徒
「先生、レイヤー3とかレイヤー4って聞いたことがあるんですが、AWSで何か対策できるんですか?」
先生
「はい、AWSではAWS Shield(エーダブリューエス シールド)を使って、ネットワーク層の攻撃、つまりレイヤー3やレイヤー4を守ることができますよ。」
生徒
「具体的には、どんな攻撃を防げるんですか?」
先生
「それでは、AWS Shieldでのレイヤー3/4攻撃対策について、基本から一緒に見ていきましょう!」
1. レイヤー3/4攻撃とは?読み方と意味
レイヤー3は「ネットワーク層(ネットワークソウ)」、レイヤー4は「トランスポート層(トランスポートソウ)」と呼ばれます。 これは、通信の仕組みを階層で分けたOSI参照モデルに基づいた言い方で、それぞれの層に対して行われる攻撃を指します。
代表的なレイヤー3/4攻撃には、UDPフラッド、TCP SYNフラッド、ICMPフラッドなどがあります。 これらは、大量のパケットを一気に送りつけることでネットワークを混乱させ、サービス停止を狙うものです。
2. AWS Shieldとは?基本の読み方と役割
AWS Shield(エーダブリューエス シールド)は、AWSが提供するDDoS(ディードス)対策のマネージドサービスです。 何もしなくても標準で有効な「AWS Shield Standard」と、有料の上位版「AWS Shield Advanced」があります。
Shield Standardでも、ネットワーク層とトランスポート層の攻撃、つまりレイヤー3/4攻撃に対しては自動で防御される仕組みが整っています。
3. AWS Shieldで防げるレイヤー3/4攻撃の種類
AWS Shieldが対応する主なレイヤー3/4攻撃には以下のようなものがあります:
- UDPフラッド攻撃:読み方はユー・ディー・ピー フラッド。不要なUDPパケットを大量に送る攻撃
- TCP SYNフラッド攻撃:読み方はティー・シー・ピー シン フラッド。TCP接続を悪用した攻撃
- ICMPフラッド攻撃:読み方はアイ・シー・エム・ピー フラッド。pingを大量送信して負荷をかける
- Reflection攻撃:第三者サーバーを利用して攻撃元を隠しながら攻撃
これらの攻撃はすべて「サービスの可用性(カヨウセイ)」を奪うことを目的としています。 AWS Shieldはこれらを自動で監視し、リアルタイムで緩和(かんわ)します。
4. AWS Shieldでの防御の仕組み
AWS Shield Standardは、自動的にトラフィックをモニタリングし、異常なパターンを検出したときに対処します。 特に、以下のAWSサービスと連携することで、高い防御効果を発揮します。
- AWS Elastic Load Balancing(読み方:エラスティックロードバランシング)
- Amazon CloudFront(クラウドフロント)
- Amazon Route 53(ルート フィフティスリー)
- AWS Global Accelerator(グローバルアクセラレーター)
これらのサービスは、エッジロケーションというAWSの拠点でリクエストをさばくため、攻撃が本体に届く前に遮断できるよう設計されています。
5. AWS Shieldの設定は必要?初心者向けの考え方
Shield Standardは、デフォルトで有効なので、特別な設定をしなくてもDDoS攻撃からある程度保護されます。 ただし、より強力な保護や細かい可視化・通知・レポートが必要な場合は、「Shield Advanced」の導入を検討します。
Shield Advancedでは、専用のダッシュボードや、DDoS Response Team(ディードス レスポンス チーム)への連絡機能も使えるようになります。
6. 効果的にレイヤー3/4攻撃を防ぐ設計のポイント
レイヤー3/4攻撃を防ぐためには、Shieldに任せきりにするだけでなく、以下のような設計の工夫も重要です。
- CloudFrontを活用:エッジでリクエストを受け止め、オリジンへの負荷を軽減
- Elastic Load Balancerを使用:攻撃の影響を分散
- 不要なポートを閉じる:セキュリティグループで通信制御
- VPCフローログを有効化:異常通信の検出に活用
- Route 53で地理的分散:単一障害点の回避
これらを組み合わせることで、Shieldの防御と構成上の対策の二重構えが実現できます。
7. レイヤー7との違いも知っておこう
レイヤー3/4攻撃は、主にパケットの送信レベルでの攻撃です。一方、レイヤー7(アプリケーション層)は、HTTPなどアプリケーション通信を狙います。 Shield Standardは主にレイヤー3/4に対応していますが、レイヤー7に関してはAWS WAF(ダブリューエーダブリューエフ)と組み合わせて使うのが一般的です。
つまり、レイヤー3/4は「大量のデータの波」、レイヤー7は「中身を狙った攻撃」というイメージです。 両方の視点でセキュリティを考えることが重要です。