Linuxディストリビューションの選び方完全ガイド!初心者でも失敗しない選択基準とおすすめの選び方
生徒
「Linuxを使ってみたいんですけど、たくさん種類があって何を選べばいいかわかりません…」
先生
「確かに、Linuxディストリビューションは数百種類もありますからね。でも、選ぶときのポイントさえ押さえれば、自分に合ったものを見つけられますよ。」
生徒
「ディストリビューションって何ですか?そもそもLinuxって一つじゃないんですか?」
先生
「Linuxは基本となるシステムで、それを使いやすくパッケージ化したものがディストリビューションです。スマートフォンで例えると、Androidという基本システムがあって、各メーカーが独自にカスタマイズして提供しているのと似ていますね。今日は初心者の方でも迷わない選び方を教えますよ。」
1. Linuxディストリビューションとは何か?
Linuxディストリビューションとは、Linux(リナックス)というコンピュータを動かす基本システム(カーネルと呼びます)に、さまざまなソフトウェアやツールを組み合わせて、誰でも使えるようにパッケージ化したものです。
例えば、スマートフォンを買うとき、iPhoneやAndroidスマホなど、いろいろな選択肢がありますよね。Linuxの世界でも同じように、Ubuntu(ウブントゥ)、Fedora(フェドラ)、Debian(デビアン)、Linux Mint(リナックスミント)など、たくさんの種類があります。それぞれに特徴があり、使いやすさやデザイン、搭載されているソフトウェアが異なります。
WindowsやMacと違い、Linuxディストリビューションのほとんどは無料で使えます。そして、自分の好みや用途に合わせて選べるという大きな魅力があります。
2. 初心者が最初に考えるべき選択基準
Linuxディストリビューションを選ぶとき、初心者の方が最初に考えるべき基準は以下の三つです。
使いやすさ(ユーザーインターフェース)
パソコン初心者にとって一番大切なのは、画面が見やすく操作しやすいかどうかです。Linuxディストリビューションには、Windowsのようにマウスで直感的に操作できるものから、黒い画面に文字を打ち込む必要があるものまで様々です。初心者の方には、グラフィカルなデスクトップ環境を持つディストリビューションがおすすめです。
サポートと情報の豊富さ
困ったときに日本語で調べられる情報があるか、コミュニティが活発かどうかも重要です。人気のあるディストリビューションほど、インターネット上に解決方法やチュートリアルがたくさんあります。
パソコンのスペック(性能)
古いパソコンを使っている場合、軽量なディストリビューションを選ぶ必要があります。逆に、新しいパソコンなら、見た目が美しく機能豊富なディストリビューションも快適に動作します。
3. 目的別のディストリビューション選択基準
Linuxディストリビューションは、使う目的によって最適なものが変わります。自分が何のためにLinuxを使いたいのか考えてみましょう。
日常的なパソコン作業(Web閲覧、文書作成など)
インターネットを見たり、メールを送ったり、文書を作成したりする普段使いなら、UbuntuやLinux Mintがおすすめです。これらはWindowsから移行してきた人でも違和感なく使えるデザインになっています。
sudo apt update
Reading package lists... Done
上記のようなコマンドで簡単にソフトウェアを更新できます。aptはUbuntuやDebianベースのディストリビューションで使われるパッケージ管理ツールです。
プログラミング学習
プログラミングを学びたい方には、開発ツールが最初から豊富に入っているFedoraやUbuntuが適しています。これらには、プログラムを書くためのエディタや、コードを実行するための環境が整っています。
セキュリティとプライバシー重視
セキュリティを最優先したい方には、DebianやQubes OSという選択肢があります。これらは安定性とセキュリティに定評があります。
古いパソコンの再利用
動作が遅くなった古いパソコンを復活させたいなら、LubuntuやPuppy Linuxのような軽量ディストリビューションが最適です。メモリが少ないパソコンでも快適に動作します。
4. デスクトップ環境という選択基準
デスクトップ環境とは、Linuxの見た目や操作方法を決める部分のことです。Windowsでいうと、スタートメニューやタスクバーなどの画面全体のデザインと機能に相当します。
主なデスクトップ環境には以下のようなものがあります。
GNOME(ノーム)
シンプルで洗練されたデザインが特徴です。Ubuntuの標準デスクトップ環境として採用されています。スマートフォンのような直感的な操作ができます。
KDE Plasma(ケーディーイー プラズマ)
見た目のカスタマイズ性が非常に高く、Windowsに似た操作感があります。美しいビジュアルエフェクトも楽しめます。
Xfce(エックスエフシーイー)
軽量で動作が速く、古いパソコンでも快適です。シンプルですが必要な機能は揃っています。
Cinnamon(シナモン)
Linux Mintで使われている環境で、Windowsユーザーにとって馴染みやすいデザインです。
同じUbuntuでも、デスクトップ環境を変えた派生版(フレーバーと呼びます)があります。例えば、KDEを使ったKubuntu、Xfceを使ったXubuntuなどがあります。
echo $DESKTOP_SESSION
gnome
このコマンドで、今使っているデスクトップ環境を確認できます。echoは指定した文字や変数の内容を表示するコマンドです。
5. パッケージ管理システムの違い
パッケージ管理システムとは、ソフトウェアのインストールや更新、削除を管理する仕組みのことです。スマートフォンのアプリストアのようなものと考えてください。
Linuxディストリビューションは、大きく分けて以下のような系統に分類されます。
Debian系(apt使用)
Ubuntu、Linux Mint、Debianなどが該当します。aptやapt-getというコマンドでソフトウェアを管理します。
sudo apt install firefox
Reading package lists... Done
Building dependency tree... Done
firefox is already the newest version
このように、簡単なコマンドでブラウザなどのソフトウェアをインストールできます。
Red Hat系(dnf/yum使用)
Fedora、CentOS、Rocky Linuxなどがこの系統です。企業向けサーバーでよく使われます。
Arch系(pacman使用)
Arch Linux、Manjaroなどで、最新のソフトウェアをいち早く使えますが、やや上級者向けです。
初心者の方には、情報が豊富で安定性の高いDebian系のディストリビューションがおすすめです。
6. リリースサイクルという選択基準
リリースサイクルとは、新しいバージョンがどのくらいの頻度で公開されるかということです。これには大きく二つのタイプがあります。
固定リリース型
半年や一年ごとに新しいバージョンが出るタイプです。Ubuntuは半年ごとに新バージョンをリリースしています。常に新しい機能を使いたい方に向いています。ただし、定期的にアップグレード作業が必要になります。
長期サポート版(LTS)
LTSはLong Term Supportの略で、長期間サポートされるバージョンのことです。Ubuntuでは二年ごとにLTS版がリリースされ、五年間サポートされます。安定性を重視する方や、頻繁なアップグレードが面倒な方におすすめです。
ローリングリリース型
常に最新の状態に更新され続けるタイプです。Arch LinuxやManjaroがこのタイプです。大規模なアップグレード作業は不要ですが、時々予期しない問題が起こる可能性もあります。
初心者の方には、安定性の高いLTS版から始めることをおすすめします。
lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 24.04 LTS
Release: 24.04
Codename: noble
このコマンドで、使っているディストリビューションのバージョン情報を確認できます。lsb_releaseはLinux Standard Baseの情報を表示するコマンドです。
7. コミュニティとサポートの重要性
初心者がLinuxを使い始めると、必ず疑問や問題に直面します。そんなとき頼りになるのが、コミュニティとサポートです。
人気のあるディストリビューションほど、フォーラムやQ&Aサイト、チュートリアルが充実しています。日本語での情報が豊富かどうかも、日本人ユーザーにとっては重要なポイントです。
UbuntuやLinux Mintは世界中で使われているため、日本語の解説サイトやブログも多数あります。困ったときにGoogle検索すれば、ほとんどの問題は解決方法が見つかります。
また、公式フォーラムやReddit、Discord、Slackなどのコミュニティに参加すると、経験豊富なユーザーからアドバイスをもらえます。Linuxのコミュニティは一般的に親切で、初心者の質問にも丁寧に答えてくれる文化があります。
企業サポートが必要な場合は、Red Hat Enterprise LinuxやUbuntu Proのような商用サポート付きのディストリビューションを選ぶこともできます。
8. 実際に試してから決める方法
Linuxディストリビューションの素晴らしい点は、インストールする前に試せることです。これを「ライブUSB」や「ライブCD」と呼びます。
USBメモリにLinuxディストリビューションを書き込んで、パソコンをそのUSBから起動すると、ハードディスクに何もインストールせずにLinuxを体験できます。複数のディストリビューションを試して、自分に合ったものを選べます。
試すべきポイントは以下の通りです。
- 画面のデザインや操作感が好みに合うか
- 動作速度が快適か
- Wi-Fiやプリンターなど、自分のハードウェアが正しく認識されるか
- 日本語入力が問題なくできるか
特に、古いパソコンや特殊なハードウェアを使っている場合は、事前に動作確認することが大切です。
9. 初心者におすすめのディストリビューション三選
ここまでの選択基準を踏まえて、初心者の方に特におすすめのディストリビューションを三つ紹介します。
Ubuntu(ウブントゥ)
最も人気があり、情報が豊富です。日本語にも完全対応しており、初心者でも安心して使えます。半年ごとの通常版と、二年ごとのLTS版があります。初心者はLTS版を選びましょう。デスクトップ環境はGNOMEで、直感的な操作ができます。
Linux Mint(リナックスミント)
Ubuntuベースですが、Windowsに似たインターフェースを持ち、Windows経験者が移行しやすいディストリビューションです。動作も軽快で、古めのパソコンでも快適に動きます。Cinnamonデスクトップ環境が標準で、スタートメニューもWindowsライクです。
Fedora(フェドラ)
Red Hat社が支援するコミュニティディストリビューションで、最新技術をいち早く取り入れます。GNOMEデスクトップの最新版を体験できます。やや上級者向けですが、プログラミングを学びたい方には開発ツールが充実しているのでおすすめです。
10. まず一つ選んで始めてみよう
Linuxディストリビューション選びで悩みすぎる必要はありません。どのディストリビューションも基本的なLinuxの機能は同じです。
最初は人気のあるUbuntuやLinux Mintから始めて、慣れてきたら他のディストリビューションも試してみるという方法がおすすめです。Linuxの世界では、複数のディストリビューションを使い分けることも珍しくありません。
また、気に入らなければ別のディストリビューションに変更することも簡単です。データをバックアップしておけば、いつでも再インストールできます。
大切なのは、完璧なディストリビューションを探すことではなく、実際に使ってLinuxに慣れることです。使っているうちに、自分の好みや必要な機能が分かってきます。
Linuxディストリビューションは選択肢が多いからこそ、自分だけの最適な環境を作れる楽しさがあります。まずは一歩踏み出して、Linuxの世界を体験してみてください。