カテゴリ: AWS 更新日: 2026/01/06

AWS Route 53のルーティングポリシーを使い分ける方法【初心者向けにやさしく解説】

AWS Route 53のルーティングポリシーを使い分ける方法
AWS Route 53のルーティングポリシーを使い分ける方法

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「AWSルート53っていうのを聞いたんですが、ルーティングポリシーって何のことですか?」

先生

「いい質問ですね。AWS Route 53(アマゾン・ルート・ゴジュウサン)は、ドメイン名の管理や通信の振り分けができるサービスです。ルーティングポリシーは、その通信の振り分け方のルールのことなんですよ。」

生徒

「ルールって、どんな種類があるんですか?」

先生

「では、よく使われるルーティングポリシーの種類と使い分け方を、初心者にも分かるように説明していきますね。」

1. AWS Route 53(ルートゴジュウサン)とは?

1. AWS Route 53(ルートゴジュウサン)とは?
1. AWS Route 53(ルートゴジュウサン)とは?

AWS Route 53(アマゾン・ルート・ゴジュウサン)は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するDNS(ディーエヌエス:ドメインネームシステム)サービスです。DNSとは、インターネット上の「住所録(じゅうしょろく)」のようなもので、「www.example.com」のようなドメイン名を、コンピュータが理解できるIPアドレスに変換する役割をもっています。

Route 53では、このDNSの管理に加えて、アクセスしてきた人をどこに案内するか(ルーティング)を設定することができます。

2. ルーティングポリシー(通信の振り分けルール)とは?

2. ルーティングポリシー(通信の振り分けルール)とは?
2. ルーティングポリシー(通信の振り分けルール)とは?

ルーティングポリシー(Routing Policy:ルーティング・ポリシー)は、訪問者がWebサイトなどにアクセスしたとき、どのサーバーやシステムに案内するかを決める「案内ルール」のことです。

AWS Route 53では、以下のような種類のルーティングポリシーが用意されています。それぞれの特徴を理解して使い分けることで、より安定して速いWebサービスを提供できます。

3. シンプルルーティングポリシー

3. シンプルルーティングポリシー
3. シンプルルーティングポリシー

シンプルルーティングポリシー(Simple Routing Policy:シンプル・ルーティング・ポリシー)は、一番基本的な方法です。

例えば「www.example.com」にアクセスが来たとき、必ず「192.0.2.1」という1つのサーバーに案内する、というルールです。サーバーが1つだけのときに使います。

初心者が最初に使うにはぴったりな設定です。

4. 加重ルーティングポリシー

4. 加重ルーティングポリシー
4. 加重ルーティングポリシー

加重ルーティングポリシー(Weighted Routing Policy:カジュウ・ルーティング・ポリシー)は、複数のサーバーにアクセスを振り分けるときに使います。

例えば、東京と大阪に2つのサーバーがあるとき、東京に70%、大阪に30%のアクセスを割り振る、という設定ができます。

このようにアクセスの「重み(おもみ)」を自由に決められるのが特徴です。

5. レイテンシールーティングポリシー

5. レイテンシールーティングポリシー
5. レイテンシールーティングポリシー

レイテンシールーティングポリシー(Latency Routing Policy:レイテンシー・ルーティング・ポリシー)は、ユーザーから一番近くて速く応答できるサーバーに自動で案内する方法です。

「レイテンシー」は「遅延(チエン)」という意味で、アクセスの速度に関係します。例えば、日本からのアクセスなら東京のサーバー、アメリカからのアクセスならロサンゼルスのサーバーに案内されるようになります。

6. フェイルオーバールーティングポリシー

6. フェイルオーバールーティングポリシー
6. フェイルオーバールーティングポリシー

フェイルオーバールーティングポリシー(Failover Routing Policy:フェイルオーバー・ルーティング・ポリシー)は、1つのサーバーに障害(ショウガイ)が起きたとき、別の予備サーバーに自動で切り替える方法です。

例えば、通常は東京のサーバーに案内し、もしそのサーバーがダウンしていたら大阪の予備サーバーに自動で切り替える、というように使います。

サービスの停止を防ぐために重要なポリシーです。

7. 地理的ルーティングポリシー

7. 地理的ルーティングポリシー
7. 地理的ルーティングポリシー

地理的ルーティングポリシー(Geolocation Routing Policy:ジオロケーション・ルーティング・ポリシー)は、アクセス元の「国や地域」によって案内先を変える方法です。

例えば、日本からのアクセスは日本のサーバー、アメリカからのアクセスはアメリカのサーバーというように、アクセス元の地域に応じて案内できます。

その国向けの言語やサービスを提供したいときに便利です。

8. 地域近接ルーティングポリシー(GeoProximity)

8. 地域近接ルーティングポリシー(GeoProximity)
8. 地域近接ルーティングポリシー(GeoProximity)

地域近接ルーティングポリシー(Geoproximity Routing Policy:ジオプロキシミティ・ルーティング・ポリシー)は、地図上の距離に応じてアクセス先を柔軟に調整できる方法です。

ただし、こちらは「Route 53 トラフィックフロー」という別の設定機能とあわせて使う必要があります。

初心者のうちはあまり使わないかもしれませんが、国境に近い地域などで細かくルート制御したいときに使います。

9. マルチバリュールーティングポリシー

9. マルチバリュールーティングポリシー
9. マルチバリュールーティングポリシー

マルチバリュールーティングポリシー(Multivalue Answer Routing Policy:マルチバリュー・アンサー・ルーティング・ポリシー)は、複数のIPアドレスを同時に返すことで、DNSのようにロードバランサーのような機能を果たす方法です。

例えば、3つのサーバーがあるときに、すべてのIPアドレスを返して、アクセス元のコンピュータが一番つながりやすいものを選ぶという動きをします。

簡易的な負荷分散(フカブンサン)ができます。

10. ルーティングポリシーの使い分けのポイント

10. ルーティングポリシーの使い分けのポイント
10. ルーティングポリシーの使い分けのポイント
  • サーバーが1台だけなら → シンプルポリシー
  • アクセス量を割合で調整したい → 加重ポリシー
  • アクセスの速さを優先したい → レイテンシーポリシー
  • 障害対策をしたい → フェイルオーバーポリシー
  • 国や地域で案内を変えたい → 地理的ポリシー
  • 複数サーバーへ簡易的に分散 → マルチバリューポリシー

それぞれのポリシーには目的があり、正しく使い分けることで、より安定して快適なWebサービスが実現できます。

まとめ

まとめ
まとめ

AWS Route 53のルーティングポリシーを振り返ろう

ここまで、AWS Route 53のルーティングポリシーについて、初心者向けに一つずつ丁寧に学んできました。 AWS Route 53はDNSサービスでありながら、単なるドメイン管理だけでなく、アクセスをどのサーバーに振り分けるかを柔軟に制御できる点が大きな特徴です。 ルーティングポリシーを正しく理解することで、Webサイトの安定性、表示速度、障害対策、ユーザー体験の向上につなげることができます。

シンプルルーティングポリシーは、サーバーが一台だけの構成で使われる基本的な方法でした。 設定が分かりやすく、DNSの仕組みを理解し始めた初心者にとって最初の一歩として最適です。 一方で、複数のサーバーを使う場合には、より高度なルーティングポリシーが必要になります。

加重ルーティングポリシーでは、アクセスの割合を数値で調整できるため、新しいサーバーへの段階的な移行や、負荷分散の調整に役立ちます。 レイテンシールーティングポリシーは、利用者にとって応答速度が速いサーバーを自動的に選ぶため、グローバルに展開するWebサービスでは特に重要です。

フェイルオーバールーティングポリシーは、障害発生時の自動切り替えを実現し、サービス停止のリスクを下げるために欠かせません。 地理的ルーティングポリシーや地域近接ルーティングポリシーは、国や地域、距離を意識したルーティングを可能にし、利用者に合わせたコンテンツ提供を実現します。 マルチバリュールーティングポリシーは、簡易的な負荷分散として活用でき、DNSレベルでの冗長化に役立ちます。

このように、AWS Route 53のルーティングポリシーは、それぞれ役割と目的が異なります。 どのポリシーが優れているかではなく、「どんな構成で、何を実現したいか」を考えながら選ぶことが重要です。 初心者のうちは、小規模な構成から試し、徐々に複数のポリシーを組み合わせていくことで、理解が深まっていきます。

ルーティング設定のイメージ例

以下は、Route 53で複数のサーバーを想定した設定イメージを表したサンプルです。 実際の管理画面では入力形式になりますが、考え方を理解するための参考として見てください。


<RoutingPolicy>
    <Type>Weighted</Type>
    <Record>
        <Name>www.example.com</Name>
        <Value>192.0.2.10</Value>
        <Weight>70</Weight>
    </Record>
    <Record>
        <Name>www.example.com</Name>
        <Value>192.0.2.20</Value>
        <Weight>30</Weight>
    </Record>
</RoutingPolicy>

このように、同じドメイン名に対して複数の宛先を設定し、それぞれに重みを持たせることで、 アクセスの流れをコントロールできます。 実務では、開発環境、本番環境、検証環境などを意識した構成を考えることが多くなります。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「AWS Route 53って、ただドメインを設定するだけのサービスだと思っていましたが、 ルーティングポリシーを使うことで、こんなに細かく通信を制御できるんですね。」

先生

「そうですね。DNSは地味に見えますが、実はWebサービスの安定性や使いやすさを支える重要な部分なんです。 Route 53のルーティングポリシーを理解すると、設計の幅が一気に広がりますよ。」

生徒

「まずはシンプルルーティングから始めて、慣れてきたら加重やフェイルオーバーにも挑戦してみたいです。」

先生

「それが良いですね。実際に構成を考えながら設定すると、DNSやAWSの仕組みが自然と身についていきます。 Route 53は初心者から上級者まで長く使われるサービスなので、ぜひ繰り返し触れてみてください。」

この記事を読んだ人からの質問

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プログラミング初心者からのよくある疑問/質問を解決します

AWS Route 53とは何ですか?初心者向けに簡単に説明してほしいです。

AWS Route 53は、アマゾンが提供するDNSサービスで、ドメイン名をIPアドレスに変換したり、アクセスの案内先を決めるルーティングを設定できます。インターネット上の住所録のような役割を持ち、初心者でも使えるクラウドサービスです。
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