Linuxはなぜ無料?オープンソースの仕組みをやさしく解説!初心者向け完全ガイド
生徒
「先生、Linuxって無料で使えるって本当ですか?なんで無料なんですか?」
先生
「本当ですよ。Linuxはオープンソースという仕組みで作られているから、誰でも無料で使えるんです。」
生徒
「オープンソースって何ですか?無料だと開発している人はお金をもらえないんじゃないですか?」
先生
「いい疑問ですね。実はオープンソースには素晴らしい仕組みがあるんです。一緒に見ていきましょう。」
1. Linuxが無料の理由とは?
Linuxはオペレーティングシステム(OSと略します)の一種です。オペレーティングシステムとは、パソコンを動かすための基本的なソフトウェアのことで、WindowsやMacOSも同じ種類のものです。
WindowsやMacOSは購入するときにお金がかかりますが、Linuxは完全に無料です。なぜ無料なのかというと、Linuxはオープンソースソフトウェアとして開発されているからです。
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図にあたるプログラムコード(ソースコードといいます)を誰でも見られるように公開し、自由に使ったり改良したりできるようにする考え方です。料理に例えるなら、レシピを誰にでも公開して、自由にアレンジして使ってもらうようなイメージです。
2. オープンソースの基本的な仕組み
オープンソースソフトウェアには、いくつかの大切な特徴があります。まず、ソースコードが公開されていることです。ソースコードとは、プログラマーが書いた命令文のことで、これを見ればそのソフトウェアがどのように動いているかがわかります。
次に、誰でも自由に使えることです。個人でも企業でも、無料でLinuxをダウンロードして使うことができます。インストールする台数に制限もありません。
さらに、改良や配布も自由です。ソースコードを自分で書き換えて、より良いものにすることができます。そして、改良したものを他の人に配ることもできるのです。
Linuxのソースコードは、GitHubなどのプラットフォームで公開されています。例えば、Linuxカーネル(Linuxの中核部分)のソースコードを見たい場合は、以下のようなコマンドで取得できます。
git clone https://github.com/torvalds/linux.git
Cloning into 'linux'...
remote: Enumerating objects: 9500000, done.
remote: Total 9500000 (delta 0), reused 0 (delta 0)
Receiving objects: 100% (9500000/9500000), 3.2 GiB | 5.00 MiB/s, done.
このコマンドはgitというツールを使って、Linuxのソースコードをインターネットからダウンロードしています。
3. 誰がLinuxを開発しているの?
Linuxは一人で作られたわけではありません。世界中の何千人ものボランティアプログラマーと企業のエンジニアが協力して開発しています。
Linuxの生みの親は、フィンランド出身のリーナス・トーバルズという人物です。彼が一九九一年に最初のバージョンを作りました。その後、インターネットを通じて世界中のプログラマーが開発に参加するようになりました。
現在では、GoogleやIBM、Intelなどの大企業も開発に参加しています。これらの企業は、自社のサーバーやシステムでLinuxを使っているため、Linuxをより良くすることが自分たちの利益にもなるのです。
開発に貢献している人の情報は、Linuxのソースコードに記録されています。例えば、以下のコマンドで最近の変更履歴を見ることができます。
git log --oneline -5
a1b2c3d4 Fix memory leak in network driver
e5f6g7h8 Update filesystem documentation
i9j0k1l2 Improve CPU scheduler performance
m3n4o5p6 Add support for new hardware
q7r8s9t0 Security patch for kernel module
このように、毎日たくさんの人が改良を加えているのがわかります。
4. 無料なのにどうやって開発を続けられるの?
「無料なのにお金はどこから来るの?」という疑問は当然です。実は、オープンソースプロジェクトにはいくつかの収益モデルがあります。
まず、企業がスポンサーになるパターンです。前述のように、多くの企業がLinuxを使っているため、開発を支援することが自社の利益につながります。企業は自社のエンジニアに給料を払いながら、Linuxの開発に参加させています。
次に、サポートサービスで収益を得るパターンです。Red HatやCanonicalといった企業は、Linuxそのものは無料で配布しますが、技術サポートやトレーニング、保守サービスを有料で提供しています。
また、寄付を受け付けるパターンもあります。Linux Foundationなどの組織が寄付を募り、それを開発資金に充てています。
個人のボランティアプログラマーは、金銭的な報酬ではなく、技術力の向上やコミュニティへの貢献、自分の実績作りを目的に参加しています。オープンソースプロジェクトでの活動は、就職や転職の際の強力なアピールポイントにもなります。
5. オープンソースライセンスって何?
オープンソースソフトウェアには、ライセンスというルールが決められています。ライセンスとは、「このソフトウェアをどのように使っていいか」を定めた約束事のことです。
LinuxはGPL(GNU General Public License)というライセンスを使っています。GPLの主なルールは以下の通りです。
まず、誰でも自由に使えることです。個人でも企業でも、商用利用も含めて自由に使えます。次に、ソースコードを公開しなければならないことです。Linuxを改良した場合、その改良版を配布するときは、ソースコードも一緒に公開する必要があります。
そして、同じライセンスを引き継ぐことです。Linuxを元に作った新しいソフトウェアも、GPLライセンスで配布しなければなりません。これをコピーレフトと呼びます。
Linuxシステムにインストールされているソフトウェアのライセンス情報は、通常/usr/share/docディレクトリに保存されています。例えば、以下のコマンドで確認できます。
ls /usr/share/doc | head -5
adduser
apt
base-files
base-passwd
bash
各ディレクトリの中にcopyrightというファイルがあり、そこにライセンス情報が書かれています。
6. オープンソースのメリットとは?
オープンソースには、利用者にとっても開発者にとっても多くのメリットがあります。
まず、コストがかからないことです。ライセンス料が不要なので、特に個人や中小企業にとって大きな節約になります。サーバーを百台運用する場合でも、追加料金は一切かかりません。
次に、セキュリティが高いことです。ソースコードが公開されているため、世界中の専門家が問題点を見つけて修正できます。問題が発見されると、すぐに対応されることが多いです。
さらに、カスタマイズが自由なことです。自分の用途に合わせて、システムを自由に改造できます。企業が独自の要件に合わせてシステムを調整することも可能です。
また、ベンダーロックインを避けられることも重要です。特定の企業の製品に依存せず、いつでも別の選択肢に移行できます。
最後に、コミュニティからのサポートが得られます。世界中に利用者がいるため、困ったときはフォーラムやメーリングリストで質問できます。
7. Linuxディストリビューションとは?
Linuxと一口に言っても、実はたくさんの種類があります。これをディストリビューション(配布版)と呼びます。
ディストリビューションとは、Linuxカーネル(核となる部分)に、さまざまなソフトウェアを組み合わせてパッケージ化したものです。料理に例えると、同じ基本的な食材を使いながら、それぞれ異なるレシピで調理したようなものです。
代表的なディストリビューションには、Ubuntu(初心者に優しい)、Debian(安定性重視)、Fedora(最新技術を試せる)、CentOS(サーバー向け)などがあります。
どのディストリビューションも無料でダウンロードできます。自分の用途や好みに合わせて選べるのが、Linuxの魅力の一つです。
現在使っているLinuxディストリビューションの情報は、以下のコマンドで確認できます。
cat /etc/os-release
NAME="Ubuntu"
VERSION="22.04.3 LTS (Jammy Jellyfish)"
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
PRETTY_NAME="Ubuntu 22.04.3 LTS"
このように、ディストリビューションの名前やバージョン情報が表示されます。
8. オープンソースとフリーソフトの違い
「オープンソース」と「フリーソフト」は似ているようで、実は少し違います。この違いを理解しておくと、より深く理解できます。
フリーソフトは、無料で使えるソフトウェアのことです。ただし、ソースコードは公開されていないことが多く、改良や再配布はできません。Windowsで使える無料のアプリケーションの多くがこれに当たります。
一方、オープンソースは、ソースコードが公開されていて、自由に改良や配布ができるソフトウェアです。Linuxはこちらに分類されます。
さらに、フリーソフトウェアという言葉もあります。これは、Free Software Foundation(FSF)という組織が提唱する概念で、「自由(freedom)」を重視しています。英語のfreeには「無料」と「自由」の両方の意味があるため、混乱しやすいのですが、フリーソフトウェアは「自由なソフトウェア」という意味です。
Linuxは、オープンソースでもあり、フリーソフトウェアでもあります。つまり、無料で使えるだけでなく、自由に改良や配布もできるのです。
9. オープンソースが世界を変えた実例
Linuxをはじめとするオープンソースソフトウェアは、現代社会の基盤を支えています。その影響力は想像以上に大きいのです。
まず、インターネットの大部分がLinuxで動いています。GoogleやFacebook、Amazonなどの巨大企業のサーバーは、ほとんどがLinuxを使っています。私たちが毎日使っているウェブサイトの多くも、Linuxサーバー上で稼働しているのです。
次に、スマートフォンです。Androidという名前を聞いたことがあるでしょう。実は、AndroidはLinuxをベースに作られています。世界中のスマートフォンの約七割がAndroidなので、Linuxは数十億台のデバイスで使われていることになります。
さらに、スーパーコンピューターの世界でも、Linuxが圧倒的なシェアを持っています。世界最速のコンピューターランキング上位五百台のほぼ全てがLinuxで動いています。
また、国際宇宙ステーションでもLinuxが使われています。宇宙飛行士たちは、Linuxを搭載したコンピューターで作業を行っています。
このように、オープンソースという仕組みが、世界中の技術革新を支えているのです。無料で公開されているからこそ、誰でも利用でき、改良でき、新しい価値を生み出せるのです。
10. 初心者がLinuxを始めるには?
「Linuxを使ってみたい」と思ったら、どこから始めればいいでしょうか。初心者でも簡単に始められる方法があります。
最も簡単な方法は、仮想環境を使うことです。VirtualBoxという無料のソフトウェアを使えば、WindowsやMacの中でLinuxを動かすことができます。既存のシステムに影響を与えずに、安全に試すことができます。
もう一つの方法は、ライブUSBを作ることです。USBメモリにLinuxをインストールして、パソコンを起動するときにUSBから起動します。ハードディスクを変更せずに、Linuxを体験できます。
慣れてきたら、デュアルブートという方法もあります。これは、一台のパソコンにWindowsとLinuxの両方をインストールして、起動時に選べるようにする方法です。
最初は、Ubuntu(ウブントゥ)というディストリビューションがおすすめです。初心者向けのドキュメントが充実していて、日本語にも対応しています。インストールも簡単で、グラフィカルな画面で操作できます。
オープンソースの世界は、学習意欲のある人なら誰でも歓迎されます。最初は難しく感じるかもしれませんが、一歩ずつ進んでいけば、きっと新しい世界が開けてくるでしょう。