Linuxは何に使われている?サーバー・PC・クラウドでの用途を初心者向けに完全解説
生徒
「先生、Linuxってよく聞きますけど、実際に何に使われているんですか?」
先生
「Linuxは私たちの身の回りで幅広く使われていますよ。サーバー、パソコン、クラウド、さらにはスマートフォンまで、実はとても身近な存在なんです。」
生徒
「えっ、そうなんですか?でも私のパソコンはWindowsですけど...」
先生
「たしかに一般的なパソコンではWindowsが多いですね。でも、インターネットを支える技術の裏側では、Linuxが大活躍しているんですよ。詳しく見ていきましょう。」
1. Linuxとは?基本を理解しよう
Linuxはオペレーティングシステムの一種です。オペレーティングシステムとは、パソコンやサーバーを動かすための基本的なソフトウェアのことで、WindowsやMacOSと同じ仲間です。
Linuxの大きな特徴はオープンソースであることです。オープンソースとは、プログラムの中身が公開されていて、誰でも自由に使ったり改良したりできる仕組みのことです。そのため、無料で利用でき、世界中の技術者が協力して改善を続けています。
また、Linuxは安定性が高く、セキュリティに優れているという特徴があります。これらの理由から、重要なシステムを動かす場面で広く採用されているのです。
2. サーバーでのLinux利用:インターネットの縁の下の力持ち
Linuxが最も活躍しているのはサーバーの分野です。サーバーとは、インターネット上でウェブサイトを公開したり、データを保存したりする専用のコンピューターのことです。
世界中のウェブサイトの約半数以上がLinuxサーバーで動いています。例えば、GoogleやFacebook、Amazonなどの大手企業も、Linuxサーバーを使ってサービスを提供しています。
サーバーでLinuxが選ばれる理由は以下の通りです。
- コストが低い:無料で使えるため、ライセンス費用がかかりません
- 安定して動く:長期間再起動なしで動き続けることができます
- セキュリティが強い:ウイルスや攻撃に強い構造になっています
- カスタマイズ性が高い:用途に合わせて自由に設定を変えられます
実際にLinuxサーバーでは、以下のようなコマンドでシステムの状態を確認できます。
uname -a
Linux webserver 5.15.0-56-generic #62-Ubuntu SMP x86_64 GNU/Linux
このコマンドは、Linuxのバージョンやシステム情報を表示します。サーバー管理者は、このような情報を確認しながら、安定したサービス提供を実現しています。
3. Webサーバーとデータベースサーバーでの活躍
Linuxサーバーの中でも、特にWebサーバーとデータベースサーバーでの利用が盛んです。
Webサーバーは、私たちがブラウザでウェブサイトを見るときに、HTMLファイルや画像を配信する役割を持っています。LinuxではApacheやNginxといったWebサーバーソフトウェアがよく使われます。
systemctl status apache2
● apache2.service - The Apache HTTP Server
Active: active (running)
このコマンドで、WebサーバーであるApacheが正常に動作しているかを確認できます。
データベースサーバーは、ウェブサイトの会員情報や商品データなどを保存・管理するサーバーです。MySQLやPostgreSQLといったデータベースソフトウェアが、Linuxサーバー上で稼働しています。
4. クラウドコンピューティングとLinux:現代のIT基盤
クラウドコンピューティングとは、インターネット経由でコンピューターの機能やデータ保存場所を利用できるサービスのことです。自分のパソコンにソフトをインストールしなくても、インターネットさえあればどこからでも利用できる仕組みです。
AWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloudといった主要なクラウドサービスは、その裏側でLinuxを大規模に活用しています。クラウド上で動く仮想サーバーの多くがLinuxベースなのです。
クラウド環境でLinuxが選ばれる理由は、柔軟性とスケーラビリティです。スケーラビリティとは、利用者の増加に合わせてシステムの規模を簡単に拡張できる能力のことです。
例えば、クラウド上のLinuxサーバーにログインすると、以下のようにシステム情報を確認できます。
df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 20G 8.5G 11G 45% /
このコマンドは、ディスク容量の使用状況を表示します。クラウド環境では、このような情報を元に、必要に応じて容量を増やすなどの対応が可能です。
5. パソコン(デスクトップ)でのLinux利用
サーバーやクラウドほど普及していませんが、デスクトップパソコンでもLinuxは利用されています。特にプログラマーやエンジニア、研究者の間で人気があります。
デスクトップ用のLinuxには、Ubuntu、Fedora、Linux Mintなど、様々な種類(これをディストリビューションと呼びます)があります。これらは、WindowsやMacOSと同じように、グラフィカルな画面で操作できます。
デスクトップでLinuxを使うメリットは以下の通りです。
- 無料で使える:購入費用がかかりません
- 軽快に動く:古いパソコンでも快適に使えることが多いです
- 開発環境が整っている:プログラミングに必要なツールが最初から揃っています
- カスタマイズ自由:見た目や機能を自分好みに変更できます
ただし、WindowsやMacOSに比べると、使えるソフトウェアの種類が少ないという欠点もあります。そのため、一般ユーザーよりも技術者に愛用されています。
6. 組み込みシステムとLinux:身近なデバイスの中に
組み込みシステムとは、特定の機能を果たすために機器の中に組み込まれたコンピューターシステムのことです。実は、私たちの身の回りにある多くのデバイスでLinuxが使われています。
代表的な例はAndroidです。Androidスマートフォンは、Linuxをベースにして作られています。世界中で使われているスマートフォンの多くが、実はLinux技術を使っているのです。
その他にも、以下のような製品でLinuxが活躍しています。
- テレビやレコーダーなどの家電製品
- 自動車のカーナビゲーションシステム
- ネットワーク機器(ルーターなど)
- 産業用の制御装置
組み込みシステムでLinuxが選ばれる理由は、小さなメモリでも動くことと、必要な機能だけを選んで組み込める柔軟性にあります。
7. スーパーコンピューターと科学研究でのLinux
スーパーコンピューターは、通常のコンピューターでは処理できない膨大な計算を高速で行う特別なコンピューターです。驚くべきことに、世界のスーパーコンピューターのほぼすべてがLinuxで動いています。
日本が誇るスーパーコンピューター「富岳」もLinuxを採用しています。気象予測、新薬開発、宇宙シミュレーションなど、人類の未来を支える研究に、Linuxが貢献しているのです。
科学研究の現場では、大量のデータを処理したり、複雑な計算を実行したりする必要があります。Linuxは、そのような高度な処理を安定して実行できるため、研究者に選ばれています。
top
Tasks: 245 total, 2 running, 243 sleeping
%Cpu(s): 15.2 us, 3.8 sy, 0.0 ni, 80.5 id
このコマンドは、システムのリソース使用状況をリアルタイムで表示します。研究者やシステム管理者は、このような情報を見ながら、効率的な計算環境を維持しています。
8. 教育現場とLinux:学習に最適な環境
教育の分野でもLinuxは重要な役割を果たしています。多くの大学や専門学校のコンピューター演習室では、Linuxが導入されています。
Linuxが教育に適している理由は、プログラミング学習やシステム管理の学習に最適だからです。コマンドを入力してコンピューターを操作する経験は、IT技術を深く理解するための第一歩となります。
また、無料で利用できるため、学生が自分のパソコンにインストールして自宅で学習することも可能です。実際に手を動かしながら学べる環境が、追加費用なしで手に入るのです。
さらに、Linuxには豊富な開発ツールが標準で含まれています。プログラミング言語のコンパイラ、テキストエディタ、バージョン管理システムなど、ソフトウェア開発に必要なものがすぐに使えます。
9. セキュリティとLinux:なぜ安全なのか
Linuxが様々な場面で採用される大きな理由の一つが、セキュリティの高さです。特に、機密情報を扱うサーバーや、金融システムなど、安全性が重要な分野でLinuxが信頼されています。
Linuxのセキュリティが高い理由はいくつかあります。まず、オープンソースであるため、世界中の専門家が常にプログラムをチェックし、問題を見つけたらすぐに修正できる体制が整っています。
また、Linuxには権限管理の仕組みがしっかりしています。一般ユーザーと管理者(root)の権限が明確に分かれており、重要な操作は管理者権限がないと実行できません。
セキュリティ関連の設定を確認するコマンドの例です。
ls -l /etc/passwd
-rw-r--r-- 1 root root 2847 Dec 15 10:30 /etc/passwd
この表示は、ファイルの権限設定を示しています。最初の部分(-rw-r--r--)が権限を表しており、誰が読み書きできるかが細かく管理されています。
さらに、LinuxではファイアウォールやSELinuxといった高度なセキュリティ機能が標準で利用できます。これらの機能により、外部からの攻撃を防ぎ、システムを守ることができます。
10. なぜLinuxがこれほど普及したのか
ここまで見てきたように、Linuxは様々な分野で活躍しています。では、なぜLinuxはこれほど広く普及したのでしょうか。
最大の理由は無料で使えることです。企業にとって、数百台、数千台のサーバーを運用する際、ライセンス費用が不要なのは大きなメリットです。コスト削減につながるため、多くの企業がLinuxを選択しています。
次に、カスタマイズ性の高さがあります。Linuxは、必要な機能だけを選んで使えるため、用途に合わせた最適なシステムを構築できます。スマートフォンからスーパーコンピューターまで、幅広い機器で使われているのは、この柔軟性があるからです。
また、コミュニティの力も見逃せません。世界中の開発者が協力してLinuxを改善し続けているため、常に最新の技術が取り入れられ、問題が起きてもすぐに解決策が見つかります。
さらに、安定性と信頼性が実証されていることも重要です。長年にわたって重要なシステムで使われ続けてきた実績があり、多くの企業が安心して採用できるのです。
このような理由から、Linuxは今後も様々な場面で活躍し続けるでしょう。私たちが意識していない場所でも、Linuxが社会を支えているのです。