AWS ELBのスティッキーセッション(セッション維持)を使う方法を初心者向けに解説!
生徒
「先生、AWSのロードバランサーでスティッキーセッションという機能があるって聞いたんですが、それって何をするものなんですか?」
先生
「スティッキーセッションは、利用者が同じサーバーに継続して接続できるようにする仕組みです。例えばショッピングサイトでカートの情報を保持するような場合に便利ですよ。」
生徒
「なるほど!ロードバランサーって普通はアクセスを分散させるのに、あえて同じサーバーに固定することもあるんですね?」
先生
「その通りです。セッション維持が必要なケースでは、この機能が大活躍します。」
1. スティッキーセッションとは?
スティッキーセッションは、読み方はスティッキーセッションといい、AWSのElastic Load Balancer(エラスティックロードバランサー、略してELB)で利用できる機能です。通常、ELBは負荷分散のためにリクエストをランダムにサーバーへ振り分けますが、スティッキーセッションを有効にすると、一度接続したクライアントは一定期間同じサーバーに接続され続けます。
これにより、ユーザーごとのセッション情報が保持され、ログイン状態やショッピングカートの情報が途切れずに利用できるようになります。
2. なぜセッション維持が必要なのか?
例えば、オンラインショップを考えてみましょう。ユーザーが商品をカートに入れるたびに、セッション情報がサーバーに保存されます。もしリクエストが毎回違うサーバーに割り振られると、カートの内容が途中で消えてしまうことがあります。スティッキーセッションを使えば、同じサーバーに接続し続けるため、こうした問題を避けられます。
3. スティッキーセッションの仕組み
ELBでは、主にCookie(クッキー)を使ってスティッキーセッションを実現します。Cookieとは、読み方はクッキーといい、ブラウザに保存される小さなデータのことです。
- Application Load Balancer(アプリケーションロードバランサー、ALB):アプリケーション生成CookieやALBが発行するCookieを使用。
- Classic Load Balancer(クラシックロードバランサー、CLB):独自の「AWSALB」や「AWSELB」Cookieを使用。
これにより、ユーザーが同じサーバーに割り当てられるように制御できます。
4. AWSコンソールでの設定方法
スティッキーセッションを設定する手順は次の通りです。
- AWSマネジメントコンソールにログイン。
- 「EC2」サービスの中から「ロードバランサー」を選択。
- 対象のELBを選び、「ターゲットグループ」または「属性設定」を開く。
- 「スティッキーセッション」または「セッション維持」を有効に設定。
- Cookieの有効期限を指定(例えば300秒など)。
- 保存して設定を反映。
設定後、ユーザーは一定期間同じサーバーに接続し続けられるようになります。
5. スティッキーセッションの注意点
便利なスティッキーセッションですが、いくつかの注意点もあります。
- 特定のサーバーに負荷が集中する可能性がある。
- サーバーが落ちた場合、セッションが切れる可能性がある。
- セッションを長時間維持すると、ユーザー体験は良いがリソースの偏りが起きやすい。
そのため、セッション情報をサーバー側に保存するのではなく、Redis(レディス)やDynamoDB(ダイナモディービー)などの外部ストレージに保存する方法もよく使われます。
6. 実際のユースケース
スティッキーセッションは以下のような場面で活用されます。
- ショッピングサイトのカート保持。
- ログイン状態を維持する会員制サイト。
- ユーザーごとに一時的なセッション情報を扱うアプリケーション。
ただし、大規模なシステムではスティッキーセッションだけに依存せず、セッション管理をデータベースやインメモリキャッシュに移すことで、よりスケーラブルな構成を作ることができます。
まとめ
スティッキーセッションは、AWSのロードバランサーで利用者ごとの接続先サーバーを一定時間維持できる重要な仕組みであり、オンラインショップやログイン状態を扱うサービスなど、継続したセッション管理が必要な場面で大きな役割を果たします。とくに、ショッピングカートの保持やユーザーごとの操作状態の維持など、安定した体験を実現するうえで欠かせない技術です。ロードバランサーがリクエストを自動的に分散する通常の動作とは異なり、スティッキーセッションではユーザーを同じターゲットに結びつけるため、管理されたセッション情報が途切れにくく、安全で滑らかな操作を提供できます。さらに、アプリケーションロードバランサーやクラシックロードバランサーが発行するCookieを活用し、ブラウザ側で割り当てを維持する仕組みは、さまざまなWebアプリケーションに応用できます。
一方で、特定のサーバーにトラフィックが偏る可能性や、サーバー障害時のセッション切断といった注意点も存在するため、適切な有効期限設定や外部ストレージによるセッション管理が求められます。RedisやDynamoDBのような外部システムと組み合わせることで、スケールしやすく、故障にも強いセッション構造を構築できるため、近年のクラウド構成では一般的な手法として採用されています。スティッキーセッションを活用することで、AWS環境における安定したユーザー体験を設計でき、負荷分散とセッション維持を両立する柔軟なアーキテクチャを実現できます。初心者のうちから、セッションの動きとCookieの役割、ロードバランサーがどのように振る舞うかを理解することで、より高品質なクラウドアプリケーションを構築できるようになります。
サンプル:Cookieを確認するデバッグコード(python)
import http.cookies
cookie = http.cookies.SimpleCookie()
cookie["AWSALB"] = "example-value"
cookie["AWSALB"]["path"] = "/"
cookie["AWSALB"]["max-age"] = 300
print(cookie.output())
サンプル:セッションを確認するコマンド
curl -I https://example.com
HTTP/2 200
set-cookie: AWSALB=xxxx; Max-Age=300; Path=/
生徒
「今日のスティッキーセッションの話で、Cookieがどれほど重要なのか理解できました。ユーザーが同じサーバーに接続し続ける理由がとてもよく分かりました。」
先生
「その気づきはとても大事です。セッションが維持されることで、利用者の操作が安定しますし、サービスの品質も向上します。特にショッピングサイトなどでは欠かせない技術ですね。」
生徒
「でも、サーバーに負荷が偏るのは少し心配ですね。その場合はどうすればいいんでしょう?」
先生
「そのために、RedisやDynamoDBなど外部ストレージを組み合わせてセッション管理する方法があるんです。スティッキーセッションと併用すると、より強力で柔軟な構成になりますよ。」
生徒
「なるほど!負荷分散しながらもセッションの安全性を保てるんですね。AWSのロードバランサーがどう使われるか、ようやくイメージが掴めました。」
先生
「その理解があれば、今後クラウドアプリを設計するときにもきっと役に立ちますよ。」