AWSのClassic Load Balancer(CLB)の概要と注意点【旧世代】を解説!初心者向けロードバランサー入門
生徒
「先生、AWSのロードバランサーにはClassic Load Balancer(クラシックロードバランサー)というものがあると聞きました。これは何ですか?」
先生
「Classic Load Balancer(シーエルビー)は、AWSのロードバランサーサービスElastic Load Balancing(エラスティックロードバランシング)の中で最初に提供された旧世代のロードバランサーです。今はALB(アプリケーションロードバランサー)やNLB(ネットワークロードバランサー)が主流ですが、CLBもまだ利用できる場面があります。」
生徒
「なるほど。でも古い仕組みなら今は使わなくてもいいんですか?」
先生
「そうですね。ただし既存のシステムで使われている場合や、基本的なロードバランシングを学ぶ上で重要な知識です。特徴と注意点をしっかり理解しておくと、ALBやNLBとの違いも分かりやすくなりますよ。」
1. Classic Load Balancer(CLB)とは?
Classic Load Balancer(クラシックロードバランサー、読み方はシーエルビー)は、AWSのロードバランサーの初期世代にあたるサービスです。CLBは、OSIモデルの第4層(トランスポート層)と第7層(アプリケーション層)の両方で動作できる特徴を持っています。しかし、細かいルーティングや高度な機能は持たず、基本的なトラフィック分散が中心です。
CLBの役割は、利用者からのリクエストを複数のEC2(イーシーツー:Elastic Compute Cloud、仮想サーバー)に分散し、システム全体の可用性(カヨウセイ)を高めることです。例えば、一台のサーバーにアクセスが集中すると処理が遅くなりますが、CLBがあれば複数台に負荷を分けられます。
2. CLBの特徴
CLBの特徴を整理すると以下のようになります。
- シンプルな設計:複雑なルールを設定せず基本的な分散処理が可能
- 第4層と第7層の両対応:TCP(ティーシーピー)、SSL(エスエスエル)、HTTP(エイチティーティーピー)、HTTPS(エイチティーティーピーエス)に対応
- ヘルスチェック機能:異常なEC2インスタンスを自動で検知し振り分けから外す
- 旧世代のため機能制限あり:ALBやNLBに比べて柔軟性や拡張性は低い
3. CLBとALB・NLBの違い
CLBは旧世代であり、現在ではALB(アプリケーションロードバランサー)とNLB(ネットワークロードバランサー)が推奨されています。違いをまとめると次のようになります。
- CLB:シンプルな分散機能。基本的なロードバランサー
- ALB:第7層に特化し、パスベースやホストベースのルーティングが可能
- NLB:第4層に特化し、大量接続と超低遅延の処理に対応
CLBは一見便利ですが、現代的なWebアプリケーションやAPI(エーピーアイ)開発ではALBやNLBが主流です。
4. CLBの使い方(基本構成)
CLBを構成する際の流れを紹介します。
- ロードバランサー作成:Classic Load Balancerを選択する
- リスナー設定:HTTP、HTTPS、TCPなど必要なプロトコルを選ぶ
- セキュリティグループ:アクセスを許可する通信ルールを設定する
- ターゲット登録:分散対象となるEC2インスタンスを追加する
- ヘルスチェック:正常性を確認するためのチェックルールを設定する
これでCLBがリクエストを受け取り、自動的にEC2へ分散する仕組みが完成します。
5. CLBを使うメリットと注意点
CLBを使うメリットとしては、設定がシンプルで初心者でも構築しやすいことが挙げられます。しかし注意点も多くあります。
- メリット:簡単にロードバランサーを導入できる、旧システムで利用実績が豊富
- 注意点:最新機能に対応していない、セキュリティやスケーラビリティの面で制限がある、今後非推奨になる可能性が高い
そのため、これから新規にシステムを作る場合はALBやNLBの利用を優先したほうが良いでしょう。ただし、CLBを理解することでロードバランサーの基礎をしっかり学ぶことができます。
6. 初心者に分かりやすい例え
CLBを例えるなら「昔からあるシンプルな分岐交差点」です。車(リクエスト)がやってくると、信号機のように簡単なルールで右か左かを決めて分ける仕組みです。今の最新交差点(ALBやNLB)は、高度なセンサーで車種や行き先を判断できますが、CLBはシンプルに「右か左か」だけを分ける役割を果たしています。この違いを理解するとロードバランサーの進化もよく分かるでしょう。
まとめ
Classic Load Balancer(クラシックロードバランサー)は、AWSにおけるロードバランサーの基礎を学ぶうえで欠かせない存在であり、旧世代ながらも基本的な負荷分散の仕組みを理解するための手がかりとなります。特に、第四層と第七層の両方に対応しながら、過度な複雑さを避けた素直な構成が特徴となっています。現代のアプリケーションではALBやNLBが選ばれる場面が多いものの、CLBの役割を把握しておくと、より細かな制御が求められる場面での判断基準が明確になり、ロードバランサー全体の設計を俯瞰して考えられるようになります。さらに、CLBの利用に際しては、負荷分散の基礎概念、ヘルスチェックの重要性、セキュリティグループとの連携など、インフラ設計でよく登場する要素を網羅的に理解できる点も魅力です。
また、既存システムの移行やレガシー環境の保守においても、Classic Load Balancerの特徴や制限を把握していると、適切な判断を下しやすくなります。例えば、HTTPS通信の扱いやタイムアウト設定、接続制御などを考える際には、CLB特有の挙動が関わることもあります。そのため、旧世代という理由だけで切り捨てず、基本仕様をしっかり理解しておくことで、より柔軟にAWS環境を扱えるようになるでしょう。ここではサンプル設定のイメージとして、リスナー構成の例を示しておきます。設定内容に触れることで、ロードバランサーの動作イメージがより掴みやすくなるはずです。
<LoadBalancer>
<Listeners>
<Listener protocol="HTTP" port="80"/>
<Listener protocol="HTTPS" port="443"/>
</Listeners>
<HealthCheck target="HTTP:80/health" interval="30" timeout="5"/>
</LoadBalancer>
ロードバランサーという仕組みは、単にリクエストを振り分けるだけでなく、システム全体の信頼性や応答速度に深く関わる存在です。Classic Load Balancerはそのもっとも基本的な部分を担ってきた歴史の長い仕組みであり、扱いやすく初心者にも理解しやすい構成を持っています。最新のALBやNLBに触れる前に、CLBを通して基礎を固めておくことは、これからクラウド技術を学ぶうえでも大きな強みとなるでしょう。
生徒
「今日の内容で、CLBがどういう場面で役に立つのか少しわかってきました。旧世代だけど基礎理解にとても良いという感じなんですね。」
先生
「その通りです。CLBは機能がシンプルなので、ロードバランサーの核となる部分をしっかり掴むのに適しています。複雑な設定が必要ないぶん、理解しやすいんですよ。」
生徒
「ALBやNLBが新しくて高性能だけど、CLBを知っていると違いがわかりやすくなるんですね。」
先生
「ええ。基礎を理解してから応用に進むほうが迷いにくいですし、設計の幅も広がります。今回のまとめで学んだように、ヘルスチェックやリスナー設定の考え方は、他のロードバランサーでも必ず活かされます。」
生徒
「なるほど……ロードバランサーの世界って意外と奥深いんですね。もっと学んでみたくなりました!」
先生
「次はALBやNLBの特徴も一緒に見ていきましょう。基礎が理解できているあなたなら、よりスムーズに理解できるはずですよ。」