AWS Global Acceleratorのトラフィックルーティング(加重・フェイルオーバー)を設定する方法を初心者向けにやさしく解説
生徒
「先生、AWS Global Acceleratorのトラフィックルーティングって何ですか?」
先生
「トラフィックルーティングは、読み方はトラフィックルーティング(ルート指定)で、アクセスをどのサーバーに振り分けるかを決める仕組みのことです。Global Acceleratorでは加重(カジュウ)とフェイルオーバーという方法がありますよ。」
生徒
「加重やフェイルオーバーって難しそうですね…。初心者でもわかりますか?」
先生
「もちろんです。図や例を使ってわかりやすく説明しますので、一緒に学んでいきましょう。」
1. AWS Global Acceleratorとは?
AWS Global Accelerator(エーダブリューエス グローバルアクセラレーター)は、世界中のユーザーができるだけ速く、AWS上のアプリケーションにアクセスできるようにするネットワークサービスです。
Amazonの高速な専用ネットワークを使うことで、通信速度を向上させ、安定した接続を実現します。ALB(アプリケーションロードバランサー)やEC2(仮想サーバー)などと組み合わせて使うことが多いです。
2. トラフィックルーティングとは?
トラフィックルーティングは、インターネットからのアクセスを、どの地域やサーバーに振り分けるかを制御するしくみのことです。
たとえば、東京とロサンゼルスにある2つのサーバーにアクセスが来たとき、どちらに流すかを決めるのがルーティングです。
Global Acceleratorでは、以下の2つの方法が選べます:
- 加重ルーティング(Weight-based routing)
- フェイルオーバールーティング(Failover routing)
3. 加重ルーティングとは?
読み方は加重(カジュウ)ルーティングで、「重さ」の配分によってアクセスの割合を調整します。
たとえば、東京リージョンのサーバーに70%、ロサンゼルスに30%のアクセスを割り当てるといった設定ができます。
これにより、負荷のかかりすぎを防いだり、徐々に新しいサーバーへ移行したりすることができます。
4. フェイルオーバールーティングとは?
読み方はフェイルオーバー(予備切替)ルーティングで、メインのサーバーに障害が発生したときに、予備のサーバーに自動で切り替える方法です。
たとえば、東京リージョンが使えなくなったら、自動的にシンガポールやオレゴンのサーバーへ切り替わります。これにより、サービスが止まらずに継続できます。
5. トラフィックルーティングの設定手順
- AWSマネジメントコンソールにログインします。
Global Acceleratorを検索して開きます。- すでにあるアクセラレーターを選ぶか、新しく作成します。
- 「Endpoint Groups(エンドポイントグループ)」の設定画面に移動します。
- 複数のリージョンを追加して、それぞれのグループに対して以下を設定します:
- 加重ルーティング:Weight(重み)に数値を入力(例:東京100、シンガポール50)
- フェイルオーバー:1つのリージョンに100%を割り当て、他は0%にする
- 設定を保存し、反映させます。
設定は数分で反映されます。ルーティングがうまく動いているかは「Health check(ヘルスチェック)」機能で確認できます。
6. よくある使い方の例
加重ルーティングの例:
新しいリージョンに少しずつトラフィックを流してテストしたいとき、東京90%、シドニー10%のように設定して、徐々に様子を見ることができます。
フェイルオーバーの例:
東京がメイン、オレゴンが予備の場合、通常は東京だけが使われますが、東京に問題が起きたら自動でオレゴンに切り替わるように設定できます。
7. トラフィックルーティングのメリット
- 世界中のユーザーに対して、最適なリージョンにアクセスを振り分けできる
- 障害時に自動切替でサービス継続が可能
- 段階的な移行やテストが安全にできる
- ビジネスに合わせて柔軟にトラフィック制御ができる
これらの設定は、AWS Global Acceleratorならマウス操作だけで行えるので、初心者でも安心して設定できます。
まとめ
AWS Global Acceleratorのトラフィックルーティングは、世界中の利用者がより速く、より安定した通信でアプリケーションにアクセスできるようにするうえで欠かせないしくみであり、その仕組みを理解することで、より信頼性の高い構成を実現できます。特に、加重ルーティングとフェイルオーバールーティングは、複数リージョンで構成されたアプリケーションに対して柔軟な制御を与えてくれるため、初心者でも用途に応じた構築を行いやすくなります。
加重ルーティングでは、複数の地域にトラフィックを分散させ、負荷の偏りを抑える効果があります。新しいリージョンを試験的に稼働させる場合にも便利で、徐々にトラフィックを移行しつつ動作確認ができます。一方、フェイルオーバールーティングは、予備環境への自動切替を担うため、障害に強い設計を目指す際に非常に重要となります。ふだんは特定のリージョンだけにアクセスを集め、問題が生じたときだけ別リージョンに切り替える仕組みは、安定運用の基礎とも言えます。
また、設定手順がわかりやすいことも特徴です。Global Acceleratorの画面からエンドポイントグループを選び、地域を追加し、加重やフェイルオーバーを細かく調整するだけで、複雑な設定をコマンドなしで扱えるのは魅力です。設定後はヘルスチェックによって各エンドポイントの状態が監視され、問題が起きた場合でも自動で切り替えられるため、利用者に影響が出にくい構成が自然に作られていきます。
実際に動きを確認するうえで役立つのが、ルーティング設定のテストです。たとえば、加重ルーティングによる流量配分の理解を深めるために、加重値がどのように影響するかを確認するサンプルを以下のように整理しておくと、設定の意図をより明確にできます。
東京リージョン:Weight 100
シンガポール:Weight 50
オレゴン:Weight 0
上記のように設定した場合、東京にもっとも多くのアクセスが流れ、次にシンガポール、オレゴンには通常トラフィックが流れない状態を作れます。実際にアクセスがどの割合で流れるのかを確認しながら調整していくことで、自分のアプリケーションに適したルーティング設計が身についていきます。
フェイルオーバーでは、ヘルスチェックの結果に応じて切替が行われます。そのため、各エンドポイントの状態監視が非常に重要であり、安定的な稼働を続けるための仕組みが全体で連動して動作します。負荷分散、耐障害性、ユーザー体験の向上を総合的に考えると、Global Acceleratorのトラフィック制御は、現代の分散システムにおいて非常に心強い存在です。
さらに、複数リージョンにまたがった環境では、通常のDNSベースのルーティングではカバーしきれない細かな制御が必要になることもあります。その点、Global Acceleratorはリアルタイムでの最適ルーティングに優れており、ルート変更が迅速に反映されるため、動的な構成にも柔軟に対応できます。初めて扱う人でも、扱い方を覚えるほどに「なぜ多くのサービスがこの仕組みを使うのか」が理解できるはずです。
実際の運用に近づけるために、簡単なコマンドラインによる状態確認も例として示しておきます。AWS CLIを使えば設定状況を確認したり、エンドポイントの動作状態を素早く把握できます。
aws globalaccelerator list-accelerators
{
"Accelerators": [
{
"Name": "MyGlobalAccelerator",
"Status": "DEPLOYED"
}
]
}
このように、視覚的な設定画面とCLIの両面から状態を確認できるため、多角的な運用が可能です。学習の段階でも、設定後の挙動を理解する助けになるでしょう。
生徒「今日の内容で、加重ルーティングとフェイルオーバーの違いがよくわかりました。どちらも用途がはっきりしていて使い分けやすいですね。」
先生「その通りです。段階的な移行をしたいときは加重ルーティング、障害対策を重視したいときはフェイルオーバーが力を発揮します。」
生徒「設定も思ったより簡単で、画面上で重みを入力するだけで制御できるのは便利だと思いました。」
先生「簡単に見えて奥が深いので、慣れてきたら複数リージョン構成やテスト手順も試していくと良いでしょう。」
生徒「フェイルオーバーが自動で切り替わる仕組みも頼もしいです。問題が起きてもユーザーに影響を出しにくいのが魅力ですね。」
先生「そうですね。安定したサービス運用には欠かせない考え方です。今回の理解は大きな一歩ですよ。」
生徒「ありがとうございます。もっとAWSのネットワークサービスを学んで、実践で使えるようになりたいです。」
先生「ぜひ続けていきましょう。経験を積むごとに設定の意図も深く理解できるようになりますよ。」