AWS RDSのリードレプリカを作成して読み取り負荷を分散する方法を初心者向けに解説!
生徒
「先生、AWSのRDSを使っているんですが、アクセスが増えると重くなって困っています…」
先生
「それなら、リードレプリカを作ると良いですよ。読み取り専用のコピーを作って、アクセスを分散できます。」
生徒
「読み取り専用?それってどういうことですか?」
先生
「リードレプリカは、RDSのコピーを作って『読み取り』だけできるようにする仕組みです。書き込みはできませんが、アクセスの集中を減らせるので、処理が速くなりますよ。」
1. リードレプリカとは?
リードレプリカ(読み方:リードレプリカ)とは、AWS(エーダブリューエス)が提供するRDS(アールディーエス)で使える機能のひとつです。
RDSのデータベースをコピーして、読み取り専用のインスタンス(コピー)を作ることで、アクセスの負荷を分散できます。
特にWebサイトやアプリで「データを見る」操作が多い場合、このリードレプリカがとても役立ちます。
2. 読み取り負荷とは?
データベースにアクセスが集中すると、応答が遅くなったり、動作が重くなることがあります。これを「読み取り負荷(ヨミトリフカ)」といいます。
たとえば、たくさんの人が同時にブログ記事を読むと、1つのデータベースだけでは処理が追いつかず、表示が遅れることがあります。
リードレプリカを使えば、複数のコピーがあるので、読み取り処理を分散でき、動作がスムーズになります。
3. リードレプリカの仕組み
リードレプリカは、元のデータベース(これを「プライマリ」といいます)にあるデータを、ほぼリアルタイムでコピーしてくれます。
書き込みはすべてプライマリに行われ、リードレプリカは「見る専用」ですが、コピーは自動で更新されるので、常に最新に近い状態が保たれます。
複数のリードレプリカを作ることもでき、アクセス数が多いときに便利です。
4. リードレプリカの作成手順
初心者でも簡単にできる、AWSマネジメントコンソールを使ったリードレプリカの作り方を説明します。
- AWSにログインし、「RDS」サービスを開きます。
- 左のメニューから「データベース」をクリックします。
- 対象のデータベース(プライマリ)を選びます。
- 右上の「アクション」→「リードレプリカの作成」を選びます。
- 設定項目を確認します(インスタンスサイズやストレージなど)。
- 「リードレプリカの作成」をクリックすると、数分で作成されます。
5. 作成後の使い方
リードレプリカが作成できたら、アプリやサービスで「読み取り専用」として接続先を変更します。
例えば、記事を表示するときや、検索結果を出すときなど、データを読み取る処理にリードレプリカを使います。
書き込みはプライマリに行うので、データの整合性(チグハグにならないこと)も安心です。
6. リードレプリカの注意点
- リードレプリカは読み取り専用なので、書き込み処理には使えません。
- コピーには少しだけ時間差があるので、最新データがすぐに反映されないことがあります。
- 作りすぎると料金が増えるので、必要な数だけにしましょう。
7. 自動昇格機能(オプション)
リードレプリカには「自動昇格(じどうしょうかく)」という便利な機能もあります。
これは、プライマリが故障したときに、リードレプリカが自動で「新しいプライマリ」に切り替わる仕組みです。
ただし、これはオプション機能なので、有効にするかどうかは目的によって選びましょう。
8. 用語の読み方と意味(初心者向け)
- AWS(エーダブリューエス):Amazon Web Servicesの略。クラウドサービスの総称。
- RDS(アールディーエス):Relational Database Service。AWSが提供するクラウド型データベース。
- リードレプリカ(リードレプリカ):読み取り専用のデータベースのコピー。
- インスタンス:仮想サーバーのこと。1台のサーバーのように使える。
- プライマリ:元となる本番用のデータベース。
- 負荷分散(フカブンサン):仕事やアクセスを複数のサーバーに分けて軽くすること。
- 整合性(セイゴウセイ):データの正しさや一貫性を保つこと。
まとめ
AWSのRDSのリードレプリカは、読み取りアクセスが多いシステムや、急に利用者が増えるWebアプリケーションを安定させたいときにとても役に立つしくみです。今回の記事では、リードレプリカとは何かという基本から、読み取り負荷という考え方、具体的な作成手順、自動昇格や注意点までひととおり流れとして学びました。最初は専門用語が多くてむずかしく感じても、「書き込みはプライマリ、読み取りはリードレプリカ」という大きなルールさえおさえておけば、頭の中で整理しやすくなります。雰囲気ではなく、用語と動きをひとつずつ結びつけて理解できると、設計や運用のイメージもぐっと現実的になってきます。
とくに、読み取り負荷をどのように分散するかという視点は、これからデータベース設計やインフラ設計を学んでいくうえで何度も登場する大切な考え方です。ひとつのRDSインスタンスにすべてのアクセスを集中させてしまうと、最初のうちは問題がなくても、利用者が増えたタイミングで突然レスポンスが遅くなったり、画面の表示に時間がかかったりすることがあります。そのようなときに「アプリケーションを増強する」という発想だけでなく、「読み取り専用のコピーを増やして負荷を分ける」という発想を持てるかどうかで、システム全体の安定感が大きく変わります。リードレプリカは、まさにそのための具体的な選択肢のひとつです。
リードレプリカの特徴として、プライマリのデータベースに対する書き込みや更新を、そのまま裏側で複製してくれるという点も重要です。手作業でバックアップを取ったり、別のサーバーにコピーしたりするわけではなく、管理された形で自動的に同期してくれるので、日々の運用負担を増やすことなく読み取り分散を実現できます。ただし、まったく同じ瞬間の状態が反映されるわけではなく、わずかな遅延が発生することもあるため、「絶対に最新の値を見たい処理」はプライマリへ、「多少の遅れがあっても問題ない参照処理」はリードレプリカへ、といった使い分けを考えることが大切です。
また、リードレプリカを使うときには、「どのクエリをどの接続先に流すのか」をアプリケーション側で意識して設計する必要があります。単純にプライマリの接続先をすべてリードレプリカへ置き換えてしまうと、更新処理が失敗してしまいますし、逆に何も分けていないと負荷分散の効果が小さくなってしまいます。記事の中で触れたように、ログイン処理や注文登録のような書き込み中心の処理はプライマリに向け、記事一覧表示や検索結果の表示など読み取り中心の処理はリードレプリカに接続する、といった設計を考えることで、利用者にとっても開発者にとっても気持ちの良いレスポンスを実現できます。
さらに、リードレプリカには負荷分散だけでなく、障害対策としての役割も持たせることができます。自動昇格の機能を有効にしておけば、プライマリに重大な障害が発生した場合でも、あらかじめ用意しておいたリードレプリカが新しいプライマリとして引き継いでくれます。もちろん、実際の運用ではアプリケーションの接続先を切り替えたり、アラート通知を整えたりといった準備も必要ですが、「読取専用のコピーが、そのまま予備の心臓にもなれる」という考え方は、とても心強い設計の軸になります。
初心者の方にとっては、ここまでの話を一度に完全に覚えるのはむずかしく感じられるかもしれませんが、まずは「リードレプリカは読み取り専用のコピー」「負荷分散と障害対策の両方に使える」「書き込みは必ずプライマリへ」という三つのポイントだけでも意識しておくと、今後の学習や実務で大きな助けになります。実際の画面操作でリードレプリカの作成を試し、プライマリとリードレプリカのエンドポイントを見比べてみると、概念だけでなく具体的なイメージとして記憶に残りやすくなります。
アプリケーション側での接続先のイメージ
ここでは、読み取り専用と書き込み専用の接続先をアプリケーションの設定で分けるイメージを、サンプルとして示します。実際の環境によって細かな書き方は違いますが、「参照用の接続」と「更新用の接続」を分けるという考え方に触れておくと、リードレプリカの使い方がより具体的になります。
[database]
primary_endpoint = myapp-primary.xxxxxx.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com
reader_endpoint = myapp-readonly.xxxxxx.ap-northeast-1.rds.amazonaws.com
[connection]
read_only = true
write_only = false
このように設定のレベルで意識的に読み取り先と書き込み先を分けておくと、アプリケーションのコードの中でも「この処理はリードレプリカ」「この処理はプライマリ」という判断がしやすくなり、あとから見直したときにも分かりやすい構成になります。規模が大きくなるほど、どこに負荷が集中しているかを把握しながら、柔軟に接続先を切り替えられるような設計が重要になります。
運用で意識したいポイント
実際にリードレプリカを運用していくと、「作って終わり」ではなく、継続的に状態を観察し、必要に応じて台数やインスタンスクラスを調整していくことが重要だと実感する場面が出てきます。監視ツールやクラウドウォッチのメトリクスを使って、プライマリとリードレプリカのCPU使用率、接続数、レイテンシなどを定期的にチェックしておくと、「どこに負荷が偏っているか」「どのタイミングで追加のレプリカが必要になりそうか」を早めに把握できます。
また、料金の面でも、インスタンスを増やせばその分コストがかかるため、「どのくらいの性能をどのくらいの時間帯に確保したいか」という観点で計画しておくことが大事です。アクセスが集中する時間帯だけインスタンスクラスを上げたり、検証環境ではリードレプリカを減らしたりといった工夫によって、無駄なコストを抑えながら安定した応答時間を維持することができます。リードレプリカは、性能とコストのバランスを調整するための、とても柔軟な道具だと考えるとイメージしやすいでしょう。
こうして見てくると、AWSのRDSのリードレプリカは、単に「速くするためのオプション」ではなく、読み取り負荷の分散、障害時の備え、将来のスケールに耐えられる設計など、さまざまな面で役に立つ基礎的なしくみであることが分かります。はじめは小さな検証用のデータベースからでもかまわないので、実際にリードレプリカを作成し、接続先を切り替えながら挙動を体験してみると、記事で学んだ内容が一気に生きた知識として定着していくはずです。
生徒
「きょうの説明で、リードレプリカがただのコピーではなくて、読み取り負荷を分散したり、障害時の保険になったりする大事な存在だということがよく分かりました。書き込みはプライマリだけに送って、画面表示や検索はリードレプリカに任せるという考え方も、実際の動きを想像しやすかったです。」
先生
「それがしっかりイメージできていれば、リードレプリカの理解はかなり進んでいますね。読み取り専用という性質をうまく生かせば、同じRDSでも体感の速さや安定感が大きく変わります。今回学んだように、『どの処理をどこへ投げるか』を意識することが、設計の質を高めるポイントです。」
生徒
「自動昇格の話も印象的でした。もしプライマリに障害が起きても、リードレプリカを新しいプライマリとして使えるなら、サービスを止めずにすみそうだなと思いました。ただ、その分しっかり監視したり、接続先を切り替える仕組みを考えたりする必要もあるんですよね。」
先生
「その通りです。機能そのものは用意されていますが、どう組み合わせて活用するかは設計者しだいです。今回学んだリードレプリカの考え方は、ほかのサービスやアーキテクチャにも応用できますから、ぜひ小さな検証環境から試してみて、自分の手で確かめてみてください。」
生徒
「はい。まずは小さなRDSインスタンスでリードレプリカを作って、読み取り専用の接続を試してみます。今日の内容を実際の操作で復習して、負荷分散や障害対応の感覚を身につけていきたいです。」