AWS S3のストレージクラスを使い分ける方法を初心者向けにやさしく解説(標準・低頻度アクセスなど)
生徒
「先生、AWSのS3にファイルを保存できるのは知ってるんですけど、ストレージクラスって何ですか?」
先生
「いい質問ですね。S3には、ファイルの利用頻度や保存期間に応じて選べるストレージクラスというものがあります。コストや性能が違うんです。」
生徒
「なるほど…どのストレージクラスを使えばいいのか分からないです。」
先生
「では、各ストレージクラスの特徴と使い分けの考え方をやさしく説明していきますね!」
1. ストレージクラスとは?
ストレージクラス(読み方:ストレージクラス)とは、AWS(エーダブリューエス)のS3(エススリー)にファイルを保存するときの保存方法の種類です。
どのクラスを選ぶかによって、保存コストやファイルの取り出し速度、耐久性(読み方:タイキュウセイ)などが変わってきます。
例えば、頻繁に使うファイルは「標準(スタンダード)」、あまり使わないけど保管しておきたいファイルは「低頻度アクセス」や「アーカイブ」などにします。
2. 主なストレージクラスの種類と特徴
① 標準(Standard)
標準(スタンダード)クラスは、一番よく使うストレージクラスです。アクセスが多くても高速に取り出せて、信頼性も非常に高いです。
たとえば、Webサイトで毎日アクセスされる画像ファイルなどに使います。
② 標準 - 低頻度アクセス(Standard-IA)
低頻度アクセス(読み方:テイヒンドアクセス)とは、あまり使わないけど、すぐ取り出したいファイルに向いています。
保存料金は安いですが、取り出すときに少し料金がかかるのが特徴です。
③ 単一ゾーン - 低頻度アクセス(One Zone-IA)
これは、保存コストをもっと下げたい人向けです。1つのデータセンター(ゾーン)にだけ保存されます。
耐久性はやや下がりますが、コストが非常に安いのが特徴です。
④ Glacier(グレイシャー)
Glacier(読み方:グレイシャー)は、長期間保存するけど、ほとんどアクセスしないファイル向けです。
たとえば、10年前のバックアップデータなどに使われます。取り出すのに数分~数時間かかりますが、保存コストはとても安いです。
⑤ Glacier Deep Archive
Glacierよりさらに安く、取り出しに12時間以上かかることもある最長保存向けのストレージクラスです。
3. ストレージクラスを選ぶ基準
初心者の方は、まずは次の基準で使い分けてみましょう。
- よく使うファイル: 標準(Standard)
- たまに使うファイル: 標準 - 低頻度アクセス(Standard-IA)
- 保存するだけの古いデータ: Glacier や Glacier Deep Archive
「コストを下げたい」「安全性を保ちたい」「すぐ取り出したい」など、目的に応じて使い分けることが大切です。
4. ストレージクラスの変更方法(マネジメントコンソール)
すでにS3に保存したファイルのストレージクラスを変えたい場合は、AWSマネジメントコンソールから操作できます。
① S3にアクセス
AWSにログインし、「S3」と検索して開きます。
② 対象のバケットを選択
保存しているファイルが入ったバケットを開きます。
③ ファイルを選んで「アクション」→「ストレージクラス変更」
変更したいファイルを選び、「アクション」メニューから「ストレージクラスの変更」を選択します。
④ 好きなクラスを選び、「変更の保存」
たとえば、「Standard-IA」や「Glacier」などを選び、「保存」をクリックすれば完了です。
5. ライフサイクルルールで自動化も可能
ストレージクラスの変更は手動でもできますが、一定期間が過ぎたら自動で変更する「ライフサイクルルール(読み方:ライフサイクルルール)」という機能もあります。
たとえば、「アップロードから30日経ったらStandard-IAへ」「90日経ったらGlacierへ」など、設定しておくだけで自動で切り替わります。
大量のファイルがあるときに非常に便利です。
6. コストを意識した選び方のポイント
ファイルを保存するだけなら、できるだけ安いクラスを選びたくなりますが、取り出しコストやスピードも重要です。
保存コストだけでなく、「どれくらい使うのか」「どのくらいの速さで取り出したいのか」も考えて選ぶとよいでしょう。
S3は非常に高機能なクラウドストレージですが、適切なストレージクラスを選ぶことで、コスト削減にもつながります。
まとめ
AWS S3のストレージクラスは、クラウド上に保存するファイルの特性に合わせて最適な保存方法を選べる非常に便利な仕組みです。今回の記事で学んだように、標準(Standard)、標準 - 低頻度アクセス(Standard-IA)、単一ゾーン - 低頻度アクセス(One Zone-IA)、Glacier、Glacier Deep Archive のような複数のクラスが用意されており、利用頻度や保存目的の違いに応じて柔軟に選択できます。特に初心者が意識すべきポイントは、「アクセス頻度」「保存コスト」「取り出し速度」「耐久性」の4つで、これらを理解することでファイル保存の最適化が自然とできるようになります。 ストレージ利用が多いサービスでは、ストレージクラスの選択次第で月々のコストが大きく変わるため、S3の特性を知ることはクラウド運用の基本ともいえます。頻繁に利用するデータには標準クラスが最適であり、月に数回程度しかアクセスしないデータは低頻度アクセスが向いています。また、長期間保存が目的で、ほとんど取り出さないデータはGlacier系のクラスが圧倒的にコスト効率が良く、企業のバックアップ用途などでもよく採用されます。保存期間や業務シナリオに応じて正しく選ぶことで、無駄のない運用ができます。 さらに、ライフサイクルルールを使えば、アップロード後の日数に応じてストレージクラスを自動で切り替えることができ、手動管理の手間を減らせます。大量のファイルを扱うプロジェクトでは必須とも言える機能であり、自動化により管理負担が大幅に減り、人的ミスも防止できます。初心者が学んでおくことで実務でも大きく役立ち、S3の理解が一段と深まります。 ここでは、実際にストレージクラスを変更する処理をイメージしやすいように、プログラムコード形式で例を示しました。マネジメントコンソールからの操作だけではなく、コードやCLIによる設定も知っておくことで、より幅広い運用が可能になります。
サンプル:S3オブジェクトのストレージクラス変更イメージ(Python例)
import boto3
s3 = boto3.client("s3")
response = s3.copy_object(
Bucket="my-bucket",
CopySource={"Bucket": "my-bucket", "Key": "image/photo.png"},
Key="image/photo.png",
StorageClass="STANDARD_IA",
MetadataDirective="COPY"
)
print("ストレージクラスを変更しました:", response["ResponseMetadata"]["HTTPStatusCode"])
実際のAWS環境で利用する場合は、IAM権限やバケットポリシーなども合わせて確認しておく必要がありますが、基本的な動きとしてはこのようにコピー操作を使ってストレージクラスを切り替える形になります。S3は「上書きではなくコピーでクラスを変更する」という点がポイントで、仕組みを理解しておくとトラブルを避けやすくなります。
LinuxでS3ファイルの一覧を確認する例(AWS CLI)
aws s3 ls s3://my-bucket/data/
2024-11-01 10:22:14 53420 report_2024.csv
2024-10-15 18:05:09 12489 old_backup.zip
このように、CLIでファイルの一覧を確認しつつ、ストレージクラスの管理やライフサイクルの状態を把握することもできます。S3の運用ではこうした確認作業も重要で、コスト管理やデータ整理に役立ちます。
生徒
「先生、ストレージクラスって思っていたより種類が多かったです…!標準だけ使っていればいいと思っていました。」
先生
「そう感じる人は多いですよ。でも、保存目的ごとにクラスを選ぶことでコストが大きく変わります。特に低頻度アクセスやGlacierは覚えておくと便利です。」
生徒
「たしかに、よく使うファイルと滅多に使わないファイルで同じ料金を払うのはもったいないですね。ライフサイクルルールも使ってみたいです!」
先生
「その意識はとても大事です。自動化しておけば管理も楽になりますし、どんな規模のプロジェクトでも役立ちます。」
生徒
「はい!今日学んだストレージクラスの特徴を意識しながら、S3の設定を試してみます!」