AWS S3のアクセス制御(パブリックアクセス・IAMポリシー)をやさしく解説!
生徒
「先生、S3ってファイルを保存できるって聞きましたけど、誰でも見れちゃうんですか?」
先生
「いい質問ですね。S3では『アクセス制御』という機能を使って、誰が見れるか、誰が編集できるかをしっかり決められるんですよ。」
生徒
「アクセス制御って、具体的にはどういう仕組みなんですか?」
先生
「大きく分けて『パブリックアクセスの設定』と『IAMポリシー』の2つがあります。初心者でもわかるように、ひとつずつ見ていきましょう!」
1. AWS S3とは?アクセス制御とは?
AWS S3(エーダブリューエス・エススリー)は、インターネット上にファイルを保存できるサービスです。アクセス制御(アクセスセイギョ)とは、そのファイルに誰がアクセスできるかを決めるしくみです。
2. パブリックアクセスとは?
パブリックアクセスとは、誰でもインターネットからファイルを見られる状態です。たとえば、ホームページで画像を表示したいときなどに使います。
ただし、うっかり大事なファイルをパブリックにしてしまうと、全世界に見られてしまう危険があるので注意が必要です。
3. パブリックアクセスのブロック設定
S3には『パブリックアクセスをブロック』する機能があります。最初はすべてのパブリックアクセスが無効になっているので、安全な状態から始められます。
- バケットレベル(フォルダのようなもの)で設定可能
- 個別のファイル(オブジェクト)にも細かく設定できる
4. パブリックアクセスを許可するには?
- バケットの設定画面で「パブリックアクセスをブロック」のチェックを外す
- オブジェクトごとにアクセス許可を編集
- 「すべてのユーザー」に「読み取り(表示)」権限を付ける
設定後は、URLを使って誰でもファイルにアクセスできます。
5. IAMポリシーとは?読み方と意味
IAM(アイエーエム)は「Identity and Access Management(アイデンティティ・アンド・アクセス・マネジメント)」の略です。IAMポリシーとは、「誰がどのリソースにどんな操作をできるか」を書いたルールのことです。
6. IAMポリシーの仕組みをやさしく解説
ポリシーは、JSON(ジェイソン)という形式で書かれた文章で、例えば次のような内容です:
- Aさんにはファイルの表示だけ許可
- Bさんにはファイルの追加・削除も許可
このようにして、S3のファイルを操作できる人をきっちり分けることができます。
7. IAMポリシーを設定する手順
- AWSのマネジメントコンソールにログイン
- 「IAM」の画面にアクセス
- 「ユーザー」を作成して「アクセス権限」を設定
- 「ポリシーの作成」でアクセスを許可したいS3の操作内容を指定
8. IAMポリシーの例(読み取りのみ許可)
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Effect": "Allow",
"Action": "s3:GetObject",
"Resource": "arn:aws:s3:::example-bucket/*"
}
]
}
このポリシーでは、example-bucket(バケット名)の中にあるファイルを「見る(GetObject)」ことだけ許可しています。
9. パブリックアクセスとIAMポリシーの違い
| 設定方法 | アクセス範囲 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| パブリックアクセス | 全世界のユーザー | ホームページの画像公開 |
| IAMポリシー | 指定したユーザーやグループ | 社内ファイル共有や管理 |
10. 初心者におすすめのアクセス制御の考え方
- まずはすべてのパブリックアクセスをブロックしておく
- 必要なファイルだけ、明確な理由がある場合にだけ公開
- ユーザーや社員にはIAMポリシーで細かくアクセス権を設定
こうすることで、安全で安心なAWS S3の使い方ができます。
まとめ
ここまでAWS S3のアクセス制御について、パブリックアクセスとIAMポリシーという二つの重要な考え方を軸に、丁寧に整理してきました。S3は便利なクラウドストレージですが、適切なアクセス管理を行うことで、ホームページの画像公開のような「誰でも見てよい情報」と、社内共有資料のような「限られた人だけが扱うべき情報」を確実に分けられます。初心者の方でも、公開すべきファイルと非公開にすべきファイルの違いをきちんと意識するだけで、安全性がぐっと高まります。
まず、パブリックアクセスは「全世界からそのファイルへアクセスできる状態」を意味します。とても便利な反面、意図していない情報を公開してしまうと、その影響は取り返しがつかないものになる可能性があります。AWSが最初からパブリックアクセスをブロックしているのは、こうした事故を防ぐための仕組みです。必要な場合にだけ公開設定を行うのが基本的な考え方になります。
一方、IAMポリシーは「誰がどの操作をできるのか」を細かく指定できるため、企業での利用や複数人での情報共有に非常に役立ちます。ファイルの閲覧だけできるユーザー、更新も削除もできる管理者、といったように権限を段階的に分けられるため、安全性と柔軟性を両立できます。IAMの考え方を理解しておくと、AWS全体の使い方もぐっと深く理解できるようになります。
■ IAMポリシーを理解しやすくするサンプル
IAMポリシーの中身をより直感的に掴むために、XML風に書いた例をひとつ示します。実際にはJSONで記述しますが、構造を捉える助けになります。
<Policy>
<Version>2012-10-17</Version>
<Statement>
<Effect>Allow</Effect>
<Action>s3:ListBucket</Action>
<Resource>arn:aws:s3:::example-bucket</Resource>
</Statement>
</Policy>
設定内容が反映されているかを確認する際、Linuxコマンドでアクセスチェックを行う場合もあります。次のようにS3バケットに対してアクセスできるか確認する例を紹介します。
aws s3 ls s3://example-bucket
2024-01-12 14:02:11 926 sample-image.png
2024-01-15 09:54:00 12834 report.pdf
このように結果が表示されれば、IAMポリシーの設定が正しく反映され、S3バケットへのアクセス権が正常に作用していることがわかります。もしアクセス権が不足していればエラーメッセージが返るので、その内容から権限設定を見直すことができます。
また、パブリックアクセスを慎重に扱うことで、必要なファイルだけを明確な意図をもって公開できるようになります。ホームページ画像のように「必ず公開したいもの」は安全に公開し、それ以外のファイルはIAMポリシーで権限を限定して管理することで、S3をより安全で効率よく扱うことができます。
さらに、初心者の方がつまずきがちなポイントとして、「公開したつもりなのに表示されない」「逆に公開するつもりのないファイルが見えてしまう」といったケースがあります。S3はバケットポリシー・ACL・IAMポリシーなど複数の設定が関与しているため、どの設定がどの範囲を制御しているのか理解することが大切です。基本を押さえておけば、こうしたトラブルに冷静に対処できるようになります。
アクセス制御というと難しそうですが、実際には「公開するもの」「公開しないもの」を自分で整理するところから始まります。情報の種類に応じてS3の特性を活かし、必要な範囲だけを安全に共有するという考え方を身につけることで、S3を使った運用の安全性と効率が格段に高まります。
生徒:今日はS3のアクセス制御の仕組みがよく分かりました!パブリックアクセスは便利だけど、慎重に使わないと危ないということですね。
先生:その通りです。どんなサービスでも「公開してよい情報」と「公開してはいけない情報」をしっかり分けることが大切です。S3はそれを細かく調整できる仕組みがあるので安心ですよ。
生徒:IAMポリシーの考え方もだいぶ理解できました。JSONで書く理由も、構造が整理されているからなんですね。
先生:そうです。IAMを理解するとAWS全体の操作がグッと分かりやすくなります。S3だけでなく他のサービスでも役立ちますよ。
生徒:これからS3を使うとき、まずはパブリックアクセスをブロックして、必要なファイルだけ公開するように気をつけてみます。
先生:とても良い考え方です。今日の学びを生かして、安全で効率的なファイル管理ができるようにしていきましょう。